>作曲者とも親交の厚かったエイドリアン・ボールト指揮ロンドン交響楽団の演奏で、ヴォーン・ウィリアムズの代表的な録音。

>さて、この演奏を聴いてびっくりしたのが第5交響曲の第3楽章。
>練習番号「10」番におとずれる、この楽章のクライマックスではティンパニが非常に効果的に登場するのですが、この部分でボールト&ロンドン交響楽団の演奏ではティンパニがなんと1小節遅れて入ります。
>それゆえ、フォルティッシモの全奏の時にティンパニがクレッシェンド、次の小節でティンパニだけがクライマックス、みたいな現象が起きているのです。前後の弱奏のトレモロも和声的にあっていない。

>驚いたことに、この現象はやはり名盤の誉れ高いアンドレ・プレヴィン&ロンドン交響楽団でも起きています。

>ちなみにアンドリュー・デイヴィスのほうは正しく演奏されており、違和感なし。

>なぜこんなことが・・・。
>実はスコア自体が間違っているのです!!

>出版譜が間違っていた。
>そしてその誤った譜面が何十年も作曲者の書いた音符と違う音をオーケストラに演奏させ、録音させ、何万人何十万人に誤った音を聴かせてきたのです。

>正しい楽譜を作ることがどれだけ重大なことかを身につまされた瞬間でした。