社内の通報から会社側が適切に対処した、「まれな事例」である。
私が受け付ける労働相談の現場では、内部通報者がむしろ社内のいじめ、解雇の対象となるケースが多々ある。
また、過労死裁判などでは、会社側が事実を否定し、被害者側がいかに「問題社員」であったかの立証に血道をあげることの方がずっと多い。
そのため、過労死の多くは「隠ぺい」されてしまっているのが現実なのである。
今回のような対応がとられた背景には、近年、過労死等防止推進法やパワーハラスメント防止法が制定されたほか、
過労死訴訟が相次ぎ、社会の目線が厳しくなっていることがあげられる。
とはいえ、まだまだ過労死・自死・鬱に対しては「隠ぺい」によって対処しようとする会社が多いことも事実だ。
パワーハラスメントや長時間労働が原因で過労死・自死・鬱の被害にあったり身内や同僚が被害をうけた場合には、
社外の相談窓口に相談されることをお勧めする。