公益通報者保護法の目的は、法律の第一条に書いてあります
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO122.html

(目的)
第一条  この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに
公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、
公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、
もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。


よって、通報者が特定されないようにすることは、公益通報者の保護の目的のために必要な手段ではあるが
目的は通報者を保護し、法令遵守や健全な発展をすることです
だから、不利益が被らないのであれば、実名であろうが匿名であろうが問題ないのですが
現実的には通報者がバレると報復を受けることは確実なので、通報者がバレないように保護することも
通報者の保護のためには必要でしょう


企業側が通報窓口の規定を作る際に例外規定を設けたいのは気持ちとしてはわかりますが
オリンパスの通報窓口の規定で「例外的に、同社規程に従って通報者のお名前を同社に報告せざるを得ないことがあります」が
どのような状態が該当するのかを明示していないと、通報する側は怖くて通報できないでしょうね
その例として、「例えば、調査結果から悪意に基づく通報であったことが判明した場合や
他人の誹謗中傷、脅迫、恐喝など不正の目的でご通報・相談が行われた場合など」と書いてありますが
誰にとっての悪意か、悪意と善意は誰が決めるの?とかが曖昧な点が気になります

ただ、匿名云々よりも、もっと大事なことをオリンパスは忘れています

通報によって、通報者並びに関係者に不利益が被らないことを約束することや
この通報窓口の運用において、会社側が違反した場合の罰則について何も言及してないことの方が問題だと思います

仮に当時の濱田さんのケースで、第三者が通報して通報者が匿名で守られたとしたら
上司は通報前から苦言を呈し続けていた濱田さんを疑って、報復人事をするでしょうね
誰が通報しようと、関係者全員が保護されないと、通報者だけを保護しても無意味です