会社の違法な行為や不正な行為に関して、いわゆる内部告発を行った従業員を就業規則に則って懲戒処分に処することは、場合によっては懲戒権の濫用にあたる可能性があるので注意を要す。
「勇気ある告発者」に“報復人事”で応酬する例もあり、専門家は「日本企業への不信感払拭のためにも、内部通報制度の充実は急務だ」と指摘する。
勇気をもって社内告発した社員に対し、報復人事で応じるのは、重大な人権侵害である。
告発と配転命令との相当因果関係が争点となるのだが、配転命令に業務上の必要性が認められないか比較的薄い場合には、時期的に近接していれば因果関係が認められることになる。
また、当該配転に伴う従業員の不利益の程度と、業務上の必要性との比較考量も重要な要素となる。