「解雇を撤回してほしい」
会社は当時、「休業期限は2017年6月まで」と文書で説明していた。しかし、今年の2月になって、「間違いだった」
「今年5月15日までに復帰しないと解雇だ」と連絡してきた。

実家で療養中の男性は2016年4月、会社に休職期間の延長を申し立て、労基署に労働災害請求をした。
今回、労災認定されたことを受けて、男性は「労災で休んでいる最中に、解雇するのは違法だ」として、解雇の撤回を求めた。

「逃げたいと思っていた」
男性は会見で、うつ病と診断された頃のことを次のように振り返った。

「不眠で、寝ている最中に目が覚めました。勤務後、何もする気になれませんでした。人間関係に対する不安を強く感じ、
早く死んで楽になりたい、逃げてしまいたいと思っていました」

男性は、電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労自殺をした事件にも言及し、次のように語った。
「彼女と自分は紙一重だと思います。パワハラにあったり、ものすごい量の残業を強いられた時、どこに相談をしていいかわかりませんでした」
「私は、際限なく働くことを強いられました。これは三菱電機だけではなく、日本社会に蔓延する問題です。同じような過重労働の被害者や、
その家族には、『あきらめず、迷わず、相談しよう』と伝えたいです」

「過労で病気の人に諦めるなというのは、残酷かもしれません。私も病気になった当初は、先行きがない、
二度と働くことができないのではないかと思いました。長く険しい道のりで、なんどももう無理かなと思いました。
でも、大勢のご支援のおかげで、ここまで来ることができました」

「医者やカウンセラー、弁護士、立ち向かう労働組合など、心ある人たちが少なからずいます。自分を責めないで、
どこかおかしいんじゃないかなと思って、諦めないで納得するまで行動を起こしてほしい。私も諦めなかったことが、
労災認定につながったのではないかと思います」

嶋崎弁護士は「労働時間をきちんと記録しないのは『犯罪的』です。しかし今の日本ではまだ犯罪ではない。
日本社会の問題として、法律を作って取り締まらないといけない」と話していた。

三菱電機広報部はBuzzFeed Newsの取材に対し、「労基署の判断を確認のうえ対応を検討いたします」とコメントした。