>>485

 作田は黒字転換を果たすと、自ら退任を申し出て会社を去り、2015年6月には日本IBM取締役や日本オラクル社長を歴任した遠藤隆雄(65)が会長兼CEOに就任する。
遠藤は、作田時代の縮小均衡路線で、2015年の世界半導体売上高ランキングで14位に後退していたルネサスを再び上位に引き上げようと、海外企業との連携を模索した。
2015年12月には独半導体大手インフィニオンテクノロジーズとの資本提携交渉にメドをつけ、ルネサスの取締役会で承認を得ようとしたまさにその日に突如解任されてしまう。

 解任当日の夜、自宅で記者団に囲まれた遠藤は「一身上の都合で辞めた。
それ以上は何も言えない」と口をつぐんだ。
ルネサス関係者によると、「海外への技術流出を嫌う株主の自動車メーカーがインフィニオンとの提携を問題視し、その意を受けた革新機構が解任に動いた」という。
当時、ルネサスの取締役5人のうち、CFOを兼務する柴田英利(46)をはじめ3人が革新機構から送り込まれていた。