実は北米の企業は日本企業のコア・コンピテンスを分析して、それを凌駕する戦略を立て実行してきた。その流れは経営学者が作り出したと言っても過言ではない。その間に日本企業の相対的競争優位性は失われてきた。私は、北米企業の成長は経営学者によって支えられてきたのだと、思っている。
資源の重要性は現在でも論を俟(ま)たない。多くの教科書で取り上げられているのが「VRIOフレームワーク」だ。Variable(模倣困難か)、Rare(希少性があるか)、Inimitable(模倣困難か)、Organization(組織と適合性があるか)。ここで注目しなければならないことがある。企業は異質性があればあるだけ競争力は高まる。そうであるなら、その資源は交換性の低いものであるほど、競争優位性は揺るぎないものになる。即ち市場で交換しやすい(お金などで手に入る)ものでないものほど価値が高い。ということは有形資源より無形資源が企業に固着していることが重要であることが分かる。