痴漢が近づく
気配で分かるんだ
下腹部のその下で
誰かの手が動いてた

つり革の注意書き
「痴漢に注意」は
誰かが誰かにこのことを
伝えようとしたのだろう

満員電車の中は教えてくれる
過ぎ去っていく駅から見えるあたしの
かけがえのない未来が

貞操を守り抜け
この出会いで強くなれ
恥ずかしさの先に続く
あたしの決意

強さとはいつだって
そう腕をつかんで上げること
もう一度勇気振り絞って
言いたかった
この人、痴漢です!