おっと忘れてた。「ケージは二度聴く必要云々」というのはその作品の作曲の
され方とか演奏のされ方とかによります。全部を言ってるわけじゃないからね。
たとえばシアター系(美術/パフォーマンス系)の総合的(っていうかね、
まあミクスト・メディアというかさ)な作品の音楽だけ録音物で聴いても
どうかってのはある。目ぇつぶって映画見てるようなっていうか。
もちろんそれがレコードなりCDなりで出版されている
んだから、オレンジレンジなりと同じカテゴリーで議論できるんだけどさ。
目的とされた結果だろうが痕跡だろうが音楽といえば音楽なんだけど、
あんまりそこに固執するとディテールをべったり塗りつぶしてしまう危険もある。
自戒をこめて、だが。

僕的には「ケージをいかにして自分が使うか?」ってことの方が興味あるな。
実は僕もエレクトロニクスを使った音楽やってるんだけど、それを「上演」
する場合の方法とかね。CDとは何か?とか考えるときに、やっぱりケージの
行ったことを知らん振りしてはできない、ってのはある。
まあ、たぶんに美術的発想ではあるが。しかし、美術的発想に無関心な
音楽家があまりにも多くてですね、そこらあたりがどうかなと。そういう意味では
まだまだ「使える」作家ではある。あんまり書くとばれちゃうんだけどさ。

彼が自分のアイディアをどこまでロジカルに総合してたかどうかは別にして。
しょせん(良くも悪くも)芸術家だしなってのもある。まあ、逃げっていえば
逃げかもだけど。