少しくらい俺の妄想に付き合ってくれないか

クレープ食べながら散歩するデートがしたいんだ
半分ほど食べたところで公園のベンチに腰かけるんだけど、
俺はあの子の背中に毛虫がいるのを見つけてしまうんだ
あの子は当然気付かずクレープを小さな口で頬張っている
小さいあの子の背中にくっついてる毛虫さえも俺は愛しく思えてそのまま眺める
あの子は どうしたん? ときくけど俺は いや別に とクレープを食べ続ける

あの子がベンチにもたれかかろうとしたそのとき俺は毛虫がつぶれてしまうのをさけるようにあの子の肩に手を回す
あの子は当然驚いて固まってしまう
だけど横目でちらりちらりとこっちを見やりながら俺を見つめてくる
鼓動が細い肩から俺の腕を通じて伝わってくる
毛虫が俺の腕まで登ってきた
この腕を今動かすとキスのチャンスはないかもしれない
俺は腕をそのままにしてあの子とキスをするんだ
まるで映画のワンシーンのようにね 観客は毛虫くん一匹

そんな土曜日の昼下がりさ