「風が庭を通り過ぎたあとの、雨が一瞬やんだときの静止した瞬間。そういう瞬間を列ねて音楽を作りたい。」

唯一であるこのアルバムを発表後、30歳という若さでこの世を去ったにとって、音楽作品を作ることは「静寂をデザインすること」と同義だった。
今は無き池袋西武のアール・ヴィヴァンに勤めながら欧米の先端の音楽作品に触れつつ音楽活動を続けていた芦川聡が、自らレーベルを立ち上げリリースした1982年の作品。
ハープ、ヴィブラフォン、ピアノなどが雫や波紋のように訥々と響く。ハープは琴のようにも聞こえ、日本的な間の美をも漂わせる。