はしかウイルスは、過去にかかった病気を「記憶」する血液中のタンパク質である抗体を11〜73%消し去る。免疫力が新生児ほどにまで低下する子どももいた。

 共著者の一人でハーバード大学のマイケル・ミナ(Michael Mena)氏(疫学)はAFPに対し、ウイルスは「免疫システムをより無知な状態にリセットするようなものだ」と述べ、抗体を復元するには、幼年期に触れた無数の病原体に再びさらされる必要があると説明した。

 結果を実証するために行われたマカクザルを使った実験で、被験体は抗体の40〜60%を失った。

 共著者の一人で米ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)のステファン・エレッジ(Stephen Elledge)氏は、「(はしか)ウイルスは私たちが理解していたよりもはるかに有害だ。ワクチンがいっそう有益なものとなる」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News