>>586
書籍の辞書は、まず原材料の「紙や印刷」の費用が掛かる他、それを「製本」するコスト
や、出荷のための「運送費」も掛かるし、在庫分は「倉庫」のコストもバカにならない。

電子辞書の場合、出版社サイドでは「辞書の内容の電子データ」を渡すだけで使用権料が
取れて、それ以上コスト負担が無い割と楽な商売。アプリは客先が開発するものなので、
出版社にとってはコスト負担には関係無い話。

一方、電子辞書ベンダーは「出版社に使用権料」を支払って製品に組み込んで売る。
大手電子辞書メーカーの場合、100万台規模でのボリュームライセンスになるから単価が
相当安くなると思われる。しかも電子辞書専用機ハードウェア向けライセンスはユーザー
が「辞書データを丸ごと取り出して流用する」ような手段が無いので、出版社も使用権料
を割安に設定しても不都合の無い環境にある。

スマホ向け電子辞書アプリの場合、大手電子辞書メーカーの100万台規模でのボリューム
ライセンス単価と比べて、相当高めの使用権料負担となる事は容易に推測される。更に、
本来「辞書アプリの開発」とは直接関係無い「OSのアップデート」の影響のせいで動作
不具合が生じると「アプリの修正」対応に迫られるなど、販売後に発生するコスト負担も
意外と少なくない。

例えば上記のような諸々の事情などによって、複数辞書を収録するほど電子辞書専用機に
コスト競争力があると言える。