久しぶりに出会い系サイトを見てみると、44歳女性の投稿でフェラしてる写真を送ってくれと書き込みがあった。
さっそく俺は
「あそこの健康を損なう
 おそれがありますので
 吸いすぎに注意しましょう
 喫宴マナーを守りましょう」
と送ってみた。
返事を待った。
返事は来なかった。
孤独感に打ちのめされた俺は勢いよく外に飛び出し雨雲に向かって叫んだ。
「夢は口腔写生!夢は口腔写生!!」
通学途中の女子小学生が驚いた様子でこっちを見た。
俺はあらん限りの力を振り絞り、その女子小学生に向けて拳を突き出した。
そして人差し指をそっと立ててフッと笑い、
「ダイナミックな口腔光線!」
と目を見開き、目一杯口を開いてハァーと息を吐いた。
これで俺の才能は開花するはずだ。
その証拠に女子小学生は感極まっていた。
俺は更に開花させようと女子小学生に向かって行ったのだが、突然何者かに肩を掴まれた。
そいつはお父さんだった。
お父さんにも才能を知ってもらおうと振り返り目一杯口を開いたところ、右の頬に熱い一撃を頂戴したので、左の頬を差し出した。

気が付くと俺は白い部屋にいた。俺の両手は動かないようになっていた。
これが拘束衣というやつか。誰かが俺の才能の開花に危険を察知したのだろう。
しばらくの間俺は俺の才能を封じこめんとする黒幕に思いをはせていたが、
やがて俺と同じ黒縁の眼鏡をかけ、俺と全く違う細い体つきの白衣を着た男が部屋に入ってきたので、俺は自己主張をすることにした。
「パーフェクトな口腔オナニーさせて!パーフェクトな口腔オナニーさせて!!」
こう言えば男同士理解し合うことができ、なおかつ親睦が深まると睨んだのだが、この拘束衣は脱がせてくれなかった。
代わりに虚空を漂うような注射を頂戴した。