帰ったら今度こそ子供に人形を捨てたと責められる.....と重い気持ちで母の家に向かったが、子供は人形のことなど一つも口にしなかった。
メダカの件もどうしようか迷ったが、子供が人形のことを忘れているのに、掘り返してまた人形の件に戻るのは嫌だったので、深くは聞かずに「お友達や人のものを勝手にいじってはいけない」という程度にとどめた。

母の家で楽しそうに遊んでいたので、そのまま夜ご飯まで母にお願いすることにして、私は家に帰って仕事から帰宅した旦那に今日の出来事を全て話した。
旦那も非科学的なことはあまり信じないタチなので、少し頭を抱えていたが、今後また同じようなことやおかしな言動があった場合には脳や精神の障害の可能性を探ろうという意見で一致した。
今までのことは、人形のせいにすることにした。

その後子供は異常な行動もなく順調に育ち、冒頭に書いたように今年の一月ではたちを迎えた。
ギリギリ成人式に誕生日が間に合わないから、お酒が友達と一緒に飲めないことをブツブツ言っていたくらい。平和だ。

もう子供は覚えていないみたいだが、夏の怪談番組や似たようなデフォルメされた人形を見る度思い出す、そんな話。