たかが趣味だけど、自分の古いビスクへの傾倒は、ちょっと異状だと思っているの。
誠実でありたいと日々生活しているのに、この趣味に関して聞かれれば、家族に平気で嘘をつける。
ケタ下で買値を伝えたり、自分より高価なドレス靴を買い足すのに、全くためらわないし・・

小さな家1軒分、つぎ込んでいるから、ふっと怖くなることがある。人形への金銭感覚だけ、別物なんだもの。
割れたらお終い古びたビスクヘッド、強化段ボールみたいなボディ、経年劣化激しい衣装を着た「ヒトガタ」に貢ぐ心理って、何だろう・・
だから、同じ趣味と言うだけで、相手に親近感が生まれるの。人形病から本当は脱出したい、生きた人間より命のない人形に安心できるのマズいよね。
みんなは、そう考えることって無いのかな。みんな違って、みんないい・・このままで良いのかな。