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抗菌効果

ネギ科植物の細胞の破壊に伴って放出される有機硫黄化合物は、抗菌剤、殺虫剤、殺幼虫剤(英語版)としての効果を持つ[25]。
特に二硫化アリルは、ニンニク油がカビや微生物の生長を阻害する主要因である。胃潰瘍の原因菌であるヘリコバクター・ピロリに対しても効果を持つが、アリシンには及ばない[26][27]。
抗菌剤として、二硫化アリルはトブラマイシン(英語版)とともに、外科手術の前に腸などの組織を選択的に除染するための薬剤に配合される。
心臓弁膜手術を行う際に、そうした薬剤が内毒血症(英語版)を防ぐという、臨床試験の報告例がある[28]。

大腸癌予防

ニンニクは大腸癌を予防する効果があるとされ[29]、いくつかの研究では、二硫化アリルはそのような効果をもたらす主因であると示されている。
マウスでの実験により、効果は用量に依存することが明らかにされている[30][31]。
二硫化アリルは通常の細胞よりも癌細胞に強く作用する[32]。
また、酵素を活性化する活性酸素などの化学種を濃縮し、癌細胞の破壊を導く強い効果が、用量に従って現れると報告されている[33]。

循環器疾患予防

ニンニクには循環器疾患の進行を防ぐ効果があるとされている。
動脈硬化や冠疾患(英語版)などの循環器疾患の原因として酸化的ストレス(英語版)が寄与している可能性があり、これは二硫化アリルが細胞の解毒を助けることなどによって減少させることができるとされる[3]。
イオンチャネルTRPA1を活性化することにより、二硫化アリルは短期的に血圧を降下させる作用を持つ[12]。