寺田寅彦 日本人の自然観
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この随筆が本で読みたいけど、何巻に入っているのかな
面白い箇所がある

・衣服についての考察

衣服についてもいろいろなことが考えられる。菜食が発達したとほぼ同様な理由から植物性の麻布綿布が主要な資料になり、毛皮や毛織りが輸入品になった。
綿布麻布が日本の気候に適していることもやはり事実であろうと思われる。養蚕が輸入されそれがちょうどよく風土に適したために、後には絹布が輸出品になったのである。
衣服の様式は少なからずシナの影響を受けながらもやはり固有の気候風土とそれに準ずる生活様式に支配されて固有の発達と分化を遂げて来た。
近代では洋服が普及されたが、固有な和服が跡を絶つ日はちょっと考えられない。
たとえば冬湿夏乾の西欧に発達した洋服が、反対に冬乾夏湿の日本の気候においても和服に比べて、その生理的効果がすぐれているかどうかは科学的研究を経た上でなければにわかに決定することができない。
しかし、日本へ来ている西洋人が夏は好んで浴衣を着たり、ワイシャツ一つで軽井沢の町を歩いたりすることだけを考えても、
和服が決して不合理なものばかりでないということの証拠がほかにもいろいろ捜せば見つかりそうに思われる。
しかしおかしい事には日本の学者でまだ日本服の気候学的物理的生理的の意義を充分詳細に研究し尽くした人のあることを聞かないようである。
これは私の寡聞のせいばかりではないらしい。
そういう事を研究することを喜ばないような日本現時の不思議な学風がそういう研究の出現を阻止しているのではないかと疑われる。

日本の風土には和服が一番合っていると思うわ自分は
楽だし、快適だし、清潔だし、心地良いもん

> 近代では洋服が普及されたが、固有な和服が跡を絶つ日はちょっと考えられない。

これはユニクロやGUなど既製品の大量生産の洋服のせいで和服は全滅に近いのが現状なので、この予想は当たっているかどうかは疑わしい
「固有の和服」がどこまでのことを指して言っているのかはわからないけれど、落語家や演歌歌手などの専門家しか和装はしなくなったと言っても良いと思う
そもそも和服を着たことのない人間が日本人にも増えてきているんじゃないのか?という気さえする