北原白秋の「金魚」

母さん、母さん、どこへ行た。紅い金魚と遊びませう。
母さん、帰らぬ、さびしいな。金魚を一匹突き殺す。
まだまだ、帰らぬ、くやしいな。金魚をニ匹締め殺す。
なぜなぜ、帰らぬ、ひもじいな。金魚を三匹捻ぢ殺す。
涙がこぼれる、日は暮れる。紅い金魚も死ぬ死ぬ。
母さん怖いよ、眼が光る。ピカピカ、金魚の眼が光る。

確か、西条八十が「残酷だ」とかみついて、白秋が
「子供というものは残酷なものです」と反論したんじゃなかったかね。
白秋も不安定な時期だったらしいが。

野口雨情の「四丁目の犬」は、怖い感じだが、こちらはいい歌だ。