フランスはエリートと庶民が日本よりもはっきりと分かれている国です。
このエリートはほとんど全てがエンジニアです。
エンジニアではないエリートとしては、医学・法学・神学の分野にはグランゼコールが存在しないため、医師や弁護士、聖職者が含まれます。

フランスでは20歳で上位のグランゼコールに入学すると将来のリーダー候補になり、それ以外の人は、
お気楽な人生を歩むことになります。
20歳で決定した順位付けがその人の人生の大部分を決するシステムです。
そして、その順位付けの大きな部分を占めるのが、数学なのです。
人工知能学会誌に投稿された「理科系の国フランス : INRIA滞在記(グローバル・アイ)」という記事には、
日本では文系に分類される学科でも数学が必要であると書かれています。

フランスでは数学ができないとエリートになれないと言っても過言ではありません。
エリート・エンジニアを養成するグランゼコールの地位が高いので、当然エンジニアの社会的地位も高いのです。
フランスの大企業の社長の85%以上は、グランゼコールのエンジニア達によって占められています。