マルクスは、資本主義を歴史上もっとも革命的な経済システムと見なしていました。

彼の革命理論は、資本主義がもっている革命的な性格が旧い社会システムを次々に
破壊していき、新しい社会を作り上げていくだろう、というものです。
資本主義は自らを常に革新しつづけなければ生き延びることができない経済システム
であるというのです。そのことをマルクスは見抜いていたのです。

そしてこの資本主義の革命的性格こそが、最終的には人類を共産社会へと半ば
必然的に導いてゆくものだろう、とマルクスは考えたのでした。

マルクスの革命理論では、資本主義を廃止して共産社会をつくるのではありません。
資本主義の発展の最終段階に共産社会が訪れることになっているのです。
共産革命とは資本主義の発展の別名にすぎません。資本主義の歴史それ自体が革命史なのです。
資本主義を廃止して共産社会をつくろうとすることは空想的社会主義だとされたのです。