>>5
いや、全然違うな
労働至上主義を批判してケインズ経済学を作った。
彼の目的は労働市場主義を批判するためのものだ。
元々古典派経済学は労働価値説だった。
それが限界効用論が主流になって大きく変わった。
その中で様々な矛盾が出てきた。
その一つが労働市場主義的な考え方。
つまり、サプライサイドを重視した(今風に言うと
労働生産性至上主義)政策をやっても成長率が
高まらないことに気づいた。

この辺りから静学的な労働市場主義を排除し、
有効需要に着目するような政策を考えだした。

つまり、この問題は「生産重視」(古典派)か、
あるいは「短期不均衡(非自発的失業者)重視」かの
問題であって、むしろケインズが目指していたのは

  「労働より仕事(需要、消費とほぼ同義)が問題」

と考えた。とにかく消費せよと。なぜそう言ったかと言えば、
やや逆説的になるが、「失業者が仕事を探している状態では
セイの法則なんて成り立たないじゃないか」というものだ。
つまり消費者であるはずの失業者がその消費を止めれば、
結局需要は回復せず、失業も解消されない。つまり、
市場は常に不均衡にある状態になる(これが短期不均衡)。

短期不均衡が成立している間は長期均衡も成り立たない。
そういう意味で労働価値説やサプライサイド政策を批判した。