ふとなぜ資本主義諸国では好況と不況が交互に訪れるのかということと、不況の克服、つ
まりデフレの克服こそが近代資本主義諸国にとって最大の政治的経済的テーマであったこ
とについて発見したのでメモとして書いておく。
なぜ資本主義諸国で好況と不況が交互に訪れるかというと、基本的に企業間の自由競争を
認めると企業が大量生産によるコスト削減をねらって、お互いに生産設備の拡大競争をし、
その結果供給過剰になり、不況になるのが資本主義の宿あだからである。そして不況にな
ってライバル企業が倒産することにより、供給過剰が解消され、新たなライバル企業が現
れるまでの間、好況になる。
つまり不況、供給過剰を根本的に治そうと思うなら、自由競争を止めればいい。自由競争
を止めると最終的にソ連末期みたいに物不足になり、物を買うために長い列を作ることに
なる。
落とし所とすれば、ある程度談合してさらに新規参入を許可制にするなどして、自由競争
を制限することにより、好不況の波を緩やかにするのが現実的な解決策であろう。

資本主義諸国にとってデフレ克服、供給過剰克服こそ最大のテーマであった。1870代の大
不況を克服するために植民地を獲得して、その植民地に供給過剰になっている商品を売り
付けるために帝国主義という植民地獲得競争が起こった。
世界大恐慌が起こり、それを克服するため、敵国の生産設備を爆撃して潰し、そのことに
よって供給過剰を解消するために第二次世界大戦が起こった。
第二次世界大戦後は各国は国債を発行しまくって供給過剰を克服しようとした。現在の日
本の1000兆円を超える国債残高も基本的には供給過剰を克服するために積み上がった。
以上のことにより資本主義の宿あ、供給過剰を克服するために国際的な談合、国際的な民
主的規制を作ることが求められる。