http://mainichi.jp/articles/20151026/ddf/012/070/005000c
《ヘゲモニー(覇権)国家が存在するとき、自由主義的段階である。ヘゲモニー国家が
衰退し、多数の国が次のヘゲモニーの座をめぐって争う状態が、帝国主義的段階に入る。
次に、ヘゲモニー国家が成立すると、自由主義的になる。したがって、自由主義的段階
と帝国主義的段階は交互にあらわれる。そして、これは大体120年の周期で生じる》

《たとえば、18世紀ヨーロッパでは、経済的にヘゲモニーをもつ国家だったオランダ
が没落したあと、帝国主義段階に入った。そのとき起こったのがナポレオン戦争です。
このあと、勝利したイギリスがヘゲモニー国家となり、自由主義時代が続いた。しかし、
19世紀末には、イギリスのヘゲモニーが失われ、英・独・米国が争う状態が続いた。
つまり、帝国主義段階に入った。通常、帝国主義と呼ばれるのはこの時代です。このあ
と、アメリカがヘゲモニー国家となり、自由主義段階に移行した。しかし、1980年
以後、アメリカが経済的に没落し始めた。そして、次のヘゲモニーをめぐる争いが始ま
った。ゆえに、帝国主義段階に入ったといえます。
 現在、アメリカは没落しつつあります。次のヘゲモニーを握るのは中国あるいはイン
ドでしょう。ただ、その前に、資本主義そのものが終わってしまう可能性がありますが。
はっきり言えるのは、ヘゲモニーをめぐる世界的な争いがこれから続くということです。
世界は今、「帝国主義的段階」に入った。120年周期という観点からみれば、現在は
120年前に似ているといえます。》