初期にマルクスに影響を与えたドイツのコミュニズム革命家
ヴァイトリングは仕立て職人さんだった。
そういう人が運動家に大半だった。
労働者ではあるが、いわゆる工業プロレタリアートではなかった。
イギリスを除いては資本主義はまだ赤子同然だった。
マルクスとエンゲルスはしだいにヴァイトリングから
思想的に離れていったんだそうだ。

吉本隆明さんがお書きになっていたことだが、
マルクスの農民論というか農業論には
後進地域の革命運動はナショナリズムというか国粋主義というか
全体主義というか、そういうものになるという見解があるんだそうだ。
吉本さんによればロシア革命は右翼革命だったんだと。
吉本さんの中では戦前の右翼と彼自身が戦後に左翼を名乗ったことの間には
本質的な矛盾はないという。
ただし戦後の左翼の主流派は右翼的なものを徹底的に嫌う方向へと進んでいった。