1人のドイツ人文筆家の証言を挙げておこう。
ピーター・ドラッカー氏のものである。
 《マルクシズムを通じて自由と平等を獲得できるという信念が完全に
  崩れ去ってしまったために、ロシアも全体主義への道、すなわち、
  純然として否定的で、不自由と不平等の支配する不経済な社会への道という、
  ドイツが歩んできた道を同じくたどらなくてはならなくなってしまった。

  共産主義とファシズムが本質的に同じだということではない。
  ファシズムは共産主義が幻想だと明らかになった後にやってくる段階なのだ。
  そして今、ヒットラー直前のドイツでと同様に、スターリン下のソ連において、
  それは幻想だと明らかになった》