マルクス経済学 第4章
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
◇過去ログ
マルクス経済学 第3章
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/economics/1504824267/
マルクス経済学 第2章
http://lavender.2ch.net/test/read.cgi/economics/1407899652/
◇資本論の主な翻訳
・岡崎次郎訳『資本論』(大月書店、1972年)
・資本論翻訳委員会訳『資本論』(新日本出版社、1982年) ※分担訳
・中山元訳『資本論』(日経BP、2011年) ※第1部のみを訳出したもの
・今村仁司ら訳『資本論』(筑摩書房、2005年) ※第1部のみを訳出したもの
なお、向坂逸郎訳『資本論』(岩波文庫、1969年)がよく読まれているが、これは上述した岡崎次郎が翻訳したものを、向坂逸郎の名で出版したもの。 >>37
「マルクス経済学」ってジャンルに絞るなら大した発展はないよ
ほとんどの議論が、資本論で提示された分析道具や体系を精緻化しようという不毛な試みに終始しちゃった
『経済原論』と名の付くテキストをいくつか買って読んでみるとそのバカバカしさが分かる
マルクスの成果が大きすぎて後続に残された研究の余地が少なかったんだね。
マルクスの研究が発展したのはむしろ資本主義自体の研究というより、現代思想とか歴史学とか法律学の分野だと思う。
あとはキリスト教神学とかイスラム教原理主義とかだね。 共産主義とキリスト教・ユダヤ教の類似性を指摘したのはフロイトだったっけ。 ドストエフスキーの『悪霊』には「キリスト教は地上から天を目指すが、共産主義は天を地上に引きずり下ろす」なんて表現が出てくるね。
これが初出かどうかは知らんが。 マルクス経済学の研究対象の大部分は私人間の経済活動だからね。しかも国内の商取引が中心。
この点でマルクス存命時と現代とで大きく変わったと言えるのは、@株式会社の発展、A新たな類型の契約(フランチャイズ等)が多数誕生したこと、ぐらいだからね。
この辺については読む価値のある文献がいくつか出てるけど、それ以外は大した研究がない。現実が動いてないんだから研究が発展しようもないんだけど。 天毛 を くらぶぅれば、バウンドュス ヨンレンヌ
死に体ハンター のオウラム 雰囲気づくり
の方がいいでしょ。 掛け算より マス目の個別待遇の方がおススメ。144おめでとう。 >>34
限価マネーを飛び越して有効期限付き通貨。 マルクス経済学だとブックオフとかってどう説明されんの? 一度商品として販売されて、使用価値が一程度摩滅はしたが、基本的な使用価値がありまたそれ自体が再生産されないものとしてふたたび売買された、されようとしている生産物商品の特殊な事例、とか? 出版社(生産資本)が作ったある本を、本屋(商業資本)で1000円で購入したとする。
この1000円は出版社が投下した労働価値(=不変資本+可変資本〔労働力〕)が価格として表現されたものだ。
他方、@本を購入した消費者がブックオフに本を持ち込んで100円で売却し、Aこれをブックオフが500円で店頭に並べたとする。
@Aの取引は両方とも労働価値説では説明しづらい。
使用によって商品の使用価値が減価することはあっても、投下された労働価値は変わらないからだ。
また、ブックオフ自体は商業資本と言いづらい。
生産資本の剰余価値を分け取るという性質がないし、生産資本が生産した商品の流通を促進するという性質もないからだ。
ということでブックオフはかなりイレギュラーな存在。
生産資本たる出版社と対立するのも当然のような気がする。 数式で議論するような伝統が日本には残念だがないんだなあ。
経済理論何て難しいですか? >>51
マルクス経済学は精々数学は線型代数とまりでしょう。
微分方程式使ってますか? マルクス主義者はオーストリア学派とリバタリアンを知らないから話にならない
ロバートキヨサキとバックミンスターフラーも読んだことないし
何もかも時代遅れで言うことやること全部が古臭い
化石人間でしかないから現代では通用しない 俺から見るとマルクス主義者が何を言ってるか何を分析してるか何を重要視してるか
理解できるけど君たちは何も理解できないだろ?
完全な知識不足なんだよ >>54
まあロシア革命から既に101年も経っていてるに、当時から一つも進歩もしてない理論体系だから。
誰かが上で書いていたけど、マルクスの仕事が大きすぎて、発展させられる人がいなかったのが致命的だね。
まあ発展させようも無いと思うけど。 フランスでは構造主義にアメリカでは行動科学革命とかに進化したっての
日本では北一輝の国家社会主義を生んだ
戦後の日本のマルクス主義者は連合軍の手先として無理やり作られたものだから無知すぎて何も知らないだけ >>58
置塩先生は新野先生と「ケインズ経済学」を書いている。 残念ながら、資本主義市場経済システムはマルクスの搾取理論の水準を
なんら超えていない。
依然として資本家階級と労働者階級の割合は100年前と変化がなく、
富の増加率には階級ごとのあからさまな格差がある。 >>52
使っているよ、学派によってはかなり高度な?
いわゆる数理派マルクス学派は典型例。 マルクスがソ連の崩壊を予言していたかのような記述を発見してしまったんだが
『ドイツ・イデオロギー』より
"この「疎外」──哲学者たちに分かるようにこの言葉を用い続ければ──は、もちろん、二つの実践的な前提の下でのみ止揚されうる。
それが「耐え難い」威力、つまり、人々がそれに反抗して革命を起こすような威力となるためには、それが人類の大多数をまったくの「無所有者」として、
しかも同時に、現前する富と教養──どちらも生産力の巨大な上昇とその高度な発展を前提とする──の世界との矛盾において、創出してしまっていることが必要である。
別の面から言えば、生産諸力のこのような発展(これとともに、すでに同時に、局地的なものに代わって世界史的なものとなった人間の現実的な在り方の内に、経験的な実存が現前するようになっている)は、次の理由からしても、絶対に必要な実践的前提である。
つまり、生産諸力の発展なしには、欠乏、窮迫が普遍化されるに過ぎず、それゆえ、窮迫に伴って必要物をめぐる抗争も再燃し、古い汚物がことごとく甦らざるをえないだろうからであり、
さらに、生産諸力のこの全般的な発展に伴ってのみ人間たちの全般的な交通が据えられる──したがって、一方では「無所有」の大衆という現象をあらゆる諸国民のうちに同時的に創出し(普遍的競争)、
どの国民もが他の国民の変革に依存するようにさせ、そしてついには世界史的な、経験的に全般的な諸個人を局地的な諸個人に取って代わらせることとなる──からである。
このことなしには、(一)共産主義は局地的なものとしてしか実存しえず、(二)交通の諸威力そのものが全般的な、それゆえに耐え難いほどの諸威力として発展してしまうこともありえず、土着的・迷信的な「厄介事」のままであり続けるであろう。
しかし(三)交通のどのような拡大もが、局地的な共産主義を廃止するであろう。
共産主義は、経験的には、主要な諸国民の行為として「一挙的」かつ同時的にのみ可能なのであって、このことは、生産諸力の全般的な発展およびそれと関連する世界交通を前提としている。" >>64
それは一国社会主義論否定の論拠として、すでに数十年間引用され続けた一文ですよ・・・ ・共産主義社会は高度に技術革新が進んで、富の分配をめぐって
人々が闘争を繰り広げる必要がないほど生産力が上がった社会を
土台にして実現することができる。
・資本主義社会はグローバリゼーションを必然的に推し進めるために
労働者の闘争も必然的にグローバルなものとならざるをえず、
共産主義社会もそれに適応することを余儀なくされるだろう。
ざっと言ってこれが有名なマルクス主義唯物史観です。 >>65
そうなんでしょうが、それはマルクス主義者の間の内輪認識で
一般から見たマルクス主義認識においてはほぼスルーされている
ことだね。
ソ連の崩壊をもってしてマルクスの予測が外れた証拠だと論じる向きがある。 財界と官僚の気の利く説を唱えれば安定した学者生活が遅れる資本主義社会における
「科学」をカネにまみれて信用できない。 >>64 本当に読みにくい文章だなw 馬鹿と天才紙一重だな
難解な文をそのまま難解に翻訳した奴も頭が良いけど馬鹿だな わざわざ難しい、頭の痒くなる文章を書くのがドイツ人。
と、誰かが言っていた。 マルクスとエンゲルスの本来の考え方では
ロシアでは共産革命はうまくいかない、失敗に終わるもの。
この考えはプレハーノフに受け継がれていた。
ところが、マルクスはナロードニキ出身の人に歩みよる手紙を残していて
ナロードニキに近いことを書いている。
マルクスに間違いがあったとすればむしろそこ。
マルクス主義が正しくてマルクスが誤っていたところがそこ。 「ヴェ・イ・ザスーリチへの手紙」
1881年3月8日
…
資本主義的生産の創生を分析するにあたって、私は次のように言いました。
「資本主義制度の根本には、それゆえ、生産者と生産手段との根底的な分離が存在する。
……この発展全体の基礎は、耕作者の収奪である。これが根底的に遂行されたのは、まだ
イギリスにおいてだけである。……だが、西ヨーロッパの他のすべての国も、これと同一の
運動を経過する。」(『資本論』フランス語版、三一五ページ)
だから、この運動の「歴史的宿命性」は、西ヨーロッパ諸国に明示的に限定されているの
です。このように限定した理由は、第三二章の次の一節のなかに示されています。
「自己労働にもとづく私的所有……は、やがて、他人の労働の搾取にもとづく、賃金制度に
もとづく資本主義的私的所有によってとって代わられるであろう。」(前掲書、三四一ページ)
こういうしだいで、この西ヨーロッパの運動においては、私的所有の一つの形態から私的所
有の他の一つの形態への転化が問題となっているのです。これに反して、ロシアの農民にあっ
ては、彼らの共同所有を私的所有に転化させるということが問題なのでしょう。
こういうわけで、『資本論』に示されている分析は、農村共同体の生命力についての賛否
いずれの議論にたいしても、論拠を提供してはいません。しかしながら、私はこの問題につい
て特殊研究をおこない、しかもその素材を原資料のなかに求めたのですが、その結果として、
次のことを確信するようになりました。すなわち、この共同体はロシアにおける社会的再生の
拠点であるが、それがそのようなものとして機能しうるためには、まずはじめに、あらゆる側面
からこの共同体におそいかかっている有害な諸影響を除去すること、ついで自然発生的発展
の正常な諸条件をこの共同体に確保することが必要であろう、と。
親愛な市民よ、あなたの忠実な
カール・マルクス
『マルクス=エンゲルス全集』第19巻238-239頁大月書店より http://d.hatena.ne.jp/sasaki_makoto/20100311
『マルクス=エンゲルス全集』(大月書店)によればマルクス=エンゲルスの連名である。
意外にも「権力を国家権力の手中にもっとも徹底的に集中させよ」と言っている。
また「時を同じくして」を同時革命と解す事もできる。
『マルクス=エンゲルス全集 第7巻』(村田陽一訳、大月書店)
マルクス=エンゲルス 一八五〇年三月の中央委員会の同盟員への呼びかけ
中央委員会から同盟員へ
さらに、民主主義者は、あからさまに連邦共和制をめざしてつとめるか、あるいは、単一
不可分の共和国がどうしても避けられない場合には、せめて市町村や州をできるだけ自主
的で独立的なものとして、中央政府を無力化することにつとめるであろう。労働者はこの
計画に対抗して、単一不可分のドイツ共和国をめざしてつとめるだけでなく、この共和国
内でも、権力を国家権力の手中にもっとも徹底的に集中することを目標として、つとめな
ければならない。…
ドイツの労働者は、かなりに長い革命的発展を完全に経過しつくさないうちは、支配権
をにぎることもできず、彼らの階級利益をつらぬくこともできないが、こんどは、すくなく
とも、この来たるべき革命劇の第一幕がフランスにおける彼ら自身の階級の直接の勝利と
時を同じくして起こり、それによって大いにはやめられることを、確実に知っている。
しかし、労働者が最後の勝利を得るためには、彼ら自身がいちばんに努力しなければ
ならない。すなわち、自分の階級利益を明らかに理解し、できるだけはやく独自的な党的
立場を占め、一瞬間といえども民主主義的小ブルジョアの偽善的な空文句にまよわされず
に、プロレタリアートの党の独立の組織化をすすめなければならない。彼らの戦いの鬨の声
はこうでなければならない――永続革命、と。
ロンドン、一八五〇年三月
注解
中央委員会の共産主義者同盟員への呼びかけは、一八五〇年三月末にマルクスとエンゲルスが
執筆して、亡命地やドイツにいる共産主義者同盟員のあいだに非合法に配布したものである。 上の半年後
マルクス 1850年9月15日の中央委員会会議、議事録より
《私はつねにプロレタリアートの一時的な意見には反対してきた。われわれは、党自身にとってしあわせなことにまだ
まさに権力につくことのできない党に身をささげている。もし権力をにぎるようなことになるなら、プロレタリアートは、
直接プロレタリア的ではなく、小ブルジョア的な方策をとることになるだろう。わが党は、四囲の事情が党の見解を
実現することを可能にするようになったときにはじめて、権力をにぎることができるのである。ルイ・ブランは、時期
尚早に権力をにぎった場合にはどうなるかを示す最良の実例を提供している。もっともフランスではプロレタリアは単独
で権力をにぎるのではなく、彼らとともに農民と小ブルジョアが権力をにぎるであろう。そしてプロレタリアは自分の
方策を実行せざるをえなくなるであろう。パリのコミューヌは、なにかを実行するためには政府にくわわる必要はない
ことを証明している。》
(マルクス 一八五〇年九月一五日の中央委員会会議議事録、マルエン全集8,586頁より)
参照:
世界史の構造386~7頁、at1,7頁、atプラス27(Dの研究第5回,201602)160頁
これ以後のマルクスは、歴史的段階の「飛び越え」に対しては非常に慎重になった。
後述するように、「ザスーリチへの手紙」においても、それは明らかである。(柄谷行人) S先生がツイッターでハーヴェイを批判してるけど
ここまで教条的なマルキストが未だにいることにある種の感銘をうけるなど 〜〜通勤をやめよう〜〜
家でできることは家でやれ!
エネルギーの無駄だ!
電車もオフィスも要らない! >>67
旧社会主義圏は、一種の集権的な市場メカニズムが機能しない資本主義つまり、開発独裁類型の国家資本主義とする向きもある。
遅れた後進的な農奴が支配的だったロシアでは、先ず資本蓄積を国家そのものが暴力的な形態で、中央集権的に行い重化学工業偏重の資本主義的、といっても市場も株式会社もない中央経済計画局によって生産と流通、分配を行うものに過ぎなかったとするもの。 イギリスと共産党系の出版社が著作権を主張して
インターネット上に公開されていたマルクスのアーカイブが
ほとんど削除されてしまったね。
こうなることを予測していなかったのでちょっと残念。 ごめん。イギリスとじゃなくてイギリスのだ。
脳腫瘍を患っているせいでかヒューマンエラーを連発してしまう。 生まれも育ちも労働者階級の人が抑圧されていたって問題でしょ。
トップを狙うより、下から階級あげていった方が成功する人は寡数で
マルクス主義が妄想のなか負ける危機もありつつ、成功も激しかったんじゃないか。 長い抗争の後に権力奪取なんていささか遅すぎやしないか?
しかも権力を奪取したって旧体制の嫌な人と同じことをする
事からそうは逃れられないし、早計だったのではないか。 権力を握るときのなぜ男一人で行動しないんだい。女性が孤立するから
いかに労働者が無能だったかっていうと。最近の工業労働者を見ていても。 権力を握ると俗物になって興奮するくらいさ、策略にからめとられてな。 生産手段を人間が占有私有することはできないよ。人間は道具を使って
下働きする自由があるが、下働きに過ぎないのでは あのアーカイブだめになったのか
資本論の日本語訳もあったけどあれは有志の翻訳だから大丈夫だろうか 人工知能やロボットにどんどん投資して一日でも早く資本主義を終わらせてくれw >>87
中国がAI開発競争に勝たなきゃ資本主義はおわんない。 >>87
これは技術革新が進行すると、生産における剰余価値は誰が生み出すのか?とかいった命題だよね。
簡単にいえば人工知能なりロボットに費やす諸々の精神的肉体的な労働力、それらを維持向上させる際にも労働力は必要になる。
従ってより高度に直接に労働力投下をする生産現場が集約化され、一般的な労働現場から人間労働が不要化しそれらの具体的成果、果実としての剰余価値を分割して受け取るシステム、仕組みがより発達する。 マルクス経済学的にいえば、
アベノミクス、クロダノミクスは「搾取率」を上げた。
労働者の事実上の購買力(実質賃金)を下げることで、企業の利益率を上げようとした。
その意味では成功している。 いわゆる積極財政、デフレ克服の流れはむしろ左派政権によって行われた感があるが、あれは反労働者だといえるのか。 ケインズに下心がなければ彼は保守派を自認していたし、
資本主義市場経済を擁護するとはっきりと公言していたはず。 ネオリベラリズムは、マルクス経済学でいうところの
収益率の下落傾向に対する資本主義システム内での適応の仕方
の一形態だったのかもしれない。 中国?w
あんな自由も人権も民主主義もない前近代の土人国家が勝ってどうするんだよ
でかい北朝鮮程度の代物だぞあそこは >>92
「私は自由党員か?」ってそういう内容だっけ?
ハイエクがバークを受け継いだ保守だっていうなら納得できるが マルクス主義を付きつめると全体主義的封建主義になる
中国見ればそれが分かる >>98
「つきつめる」は「突き詰める」と表記するんだぞ、小学生レベルからやり直し!
あと共産党宣言とゴータ綱領批判を再読すべし。 まあ中国は、民族自決と開放の理論を毛沢東が独自に実践して、その後改革開放路線へと
大きく舵を切って、ここまで資本主義化・・とは言っても共産党一党独裁で、土地や国有企業の
国家所有は替えてないわけだからかなり異質な資本主義ではあるよな。
そもそもマルクスは高度に発達した資本主義から次の社会を予見的には述べてはいるけど、詳細な
プランや制度を具体化していないから、基本的には資本主義の把握と分析の一つの考え方とみればよいか? このスレ的にはケインズってどうよ??
あるマル経学者が「3大経済学者といえば、マルクスとけいんずとシュンペーターだ」とか言っていたが。 『ケインズ「一般理論」形成史』(浅野栄一135~6頁)によると、1933年末には
ケインズが有効需要論を新しい理論体系の中心に据えることを明示的に表明す
るに至ったという。
全集第29巻に収められた[1933年『一般理論』草稿#2]では、
ケインズはさらに、有効需要問題を処理する際の彼の新しい分析視角のひとつ
を明確化している。
1933年アメリカの経済学者H.L.マクラッケンは、経済学説史に関す
る著書『価値論と景気循環』を出版したが、たぶんみずからの理論の想源を調
べていたケインズはただちにこれを読み、そのなかのマルクス理論の解説部分
からヒントを得て、草稿でつぎのように書いていた。
《協同体経済と企業家経済の間の区別はカール・マルクスによってなされた意
味深長な観察と若干の関係をもっている。》
それによると、マルクスは、現実世界の生産の性格が、経済学者たちがしばし
ば想定しているようなC一M−C′(商品一貨幣一他の商品という交換)のケ
ース――これは私的消費者の観点からのものである一一ではなく、M−C一M
′(貨幣一商品一より多くの貨幣という交換)のケース――これが事業の態度
である――であることを指摘したが、この指摘はケインズの想定する企業家経
済を分析する際の重要な視点を提供している、というのである。
この商品と貨幣との交換過程に関する範式は、もともとマクラッケンが、剰
余価値の源泉を流通過程ではなく生産過程に求めていったマルクスの説明を、
『資本論』第1巻第2篇第4章「貨幣の資本への転化」の叙述に即しながら解
説したものであり、マクラッケン自身はマルクスに忠実にこの範式を使用して
いたのであるが、ケインズは、この範式に独自の解釈を施し、それにマクラッ
ケンの著書では触れられていなかった『資本論』第2巻の三つの資本循環に関
する分析の内容を盛り込んで、つぎのように主張する。それによれば、前者の
範式は古典派理論の想定する経済像を表現したものであり、そこでは、
《企業家の生産過程開始への意欲は、彼の取り分となると期待されるものの生
産物表示での価値量に依存する、すなわち、彼に帰属するより多くの生産物へ
の期待のみが彼にとっての雇用増大への誘因となる》
と考えられている。しかし、
《企業家経済の下では、これは企業打算の性格についての間違った分析である
。企業家の関心は、彼の取り分となる生産物の量ではなく、貨幣の量にある。
彼は、産出量を増加させることによってその貨幣利潤を増加させることができ
ると期待するならば、たとえこの利潤が以前よりも少ない生産物量を示すとし
ても、その産出量を増加させるであろう。》
(参照:ケインズ全集・J.M.K Vol.XXIX,p. 81~2)
マルクスのケインズへの影響はカレツキと似ている。バーナード・ショーへの
手紙におけるマルクス批判*(邦訳ケインズ全集28巻)などは擬態だったということ
になる。邦訳を望む。
(13,14の補遺だから29はそのあとか。14は2016年邦訳が出た。) *
邦訳ケインズ全集28:55頁より
バーナード・ショー宛て、1934年12月2日
…
私の『資本論(Das Kapital)』についての感じ方は、『コーラン』についてのそれと同じです。私は、そ
れが歴史的に重要であることを承知しており、また多くの人々ーーそのすべてが馬鹿者ではありませんが、そこ
に或る種の「千年の岩(Rock of Ages)」(訳注:賛美歌)と霊感の内包を見出していることも知っています。しかもなおそれに目
を通すとき、それがこのような効果を持ち得ると自らに説明することが出来ないのです。その退屈で時代遅れのアカ
デミックな議論は、目的のための材料として、余りにも不適切なように見えます。それにしても、私が申し上げたよ
うに、『コーラン』についてと正に同じものを感じます。いったい如何にして、これらの書物の双方が、世界の半ば
をめぐって、戦禍を齎(もたら)し得たのでしようか? そのことが、私に衝撃を与えます。私の理解には、明らかに、或る種
の欠陥があるでしよう。あなたは、『資本論』と『コーラン』の双方を信じますか。或いは「資本論」だけですか。
しかし、後者の社会学的価値がどうあれ、その現代的な経済学的価値は(時折の、しかし非建設的で非連続的な洞察
のひらめきは別として)ゼロです。あなたは、それを読み直す約束をされますか、もし私がそうするとして....?
ご健康を念じつつ。
常にあなたの
J・M・ K **
以下、61~2頁より
ジヨージ・バーナード・ショウ宛て、1935年1月1日
親愛なるバーナード・ショウ
お手紙ありがとうございます、私は努力してあなたの言葉を心に留めましよう。あなたが言われることにはーー通
常そうですから何かがあるに違いありません。しかし、私は、先週、出版されたばかりのマルクスーエンゲルス
往復書簡集を読みつつ、昔のカール・マルクスに別の光を当ててみたのですが、大きな進展はありませんでした。私
は二人の中ではエンゲルスの方を好みます。私は、彼らが研究遂行の或る方法と執筆上のひどい仕方ーーその双方を、
彼らの後継者たちが忠実に維持してきたのですがーーを発明したのを見ることができます。しかし、もしあなたが私
に、彼らは経済の難問に対する解決の手がかりを発見したのだとおっしやるなら、やはり私は困惑しますーー私は時
代遅れの議論以外の何ものをも見出し得ないのです。
しかしながら、私の心境を理解して頂くためには、私が、世界の人々の経済問題についての考え方を恐らく今
ただちにではなく、向こう10年間のうちに大きく変革すると思われる経済理論に関する書物を書いていると自
ら確信していることを、あなたに知って頂かなければなりません。私の新しい理論が正しく理解され、政治や感情や
情熱と混ぜ合わされたとき、行動や事象に及ぼす影響において、どのような最終的結果を齎すか、予見することはで
きません。しかし大きな変化が起こるでしょうし、なかんずく、マルクシズムのリカード的基礎は打ち壊されるで
しょう。私は、このことを、現時点であなたが、或いは他の人々が、信じて下さるとは期待し得ません。しかし、私
自身としては、私の言っていることは単なる希望ではないと思っていますーー心中、私は完全に確信しているのです。
リディアが、あなたとシャーロットによろしく、と。
常にあなたの
J・M・ K 参考:
《…カレツキは、以上みた論文Kalecki[1968]*の最後の部分において、マルクスの『資本論』第3巻、第15章のい
わゆる「剰余価値の実現」の問題を論じた一節「直接的搾取の諸条件と剰余価値の実現の諸条件とは同一で
はない。‥‥‥‥」を引用して、「マルクスは、明らかに、資本主義の動態に対する有効需要の影響を深く認
識していた」としつつも、「彼は、彼の再生産表式によって叙述されている過程を、有効需要の問題の帰結
として資本主義に内在する矛盾という観点から体系的に吟味することをしなかった」と、マルクスにおける
『資本論』第3巻の「剰余価値の実現」の問題=「有効需要の問題」と第2巻の再生産表式論との関連の未
展開を批判する。》
http://www.unotheory.org/news_II_8
栗田康之 :カレツキの資本主義経済論―マルクスおよび宇野理論との関連で―(PDF形式:563KB)
*("The Marxian equations of reproduction and modern economics"1968
「マルクスの再生産の方程式と近代経済学」1968,1991未邦訳
(簡単に言えば、カレツキはマルクス再生産表式の生産手段(生産財)部門をさらに二つ
にわけることで有効需要の概念をケインズに先駆けて定式化した。マルクスの表式のままだと
2階級間の階級闘争しか見えてこない)
参考文献:
「ケインズ革命」の群像―現代経済学の課題 中公新書(1991/7) 根井 雅弘 (著)
カレツキを紹介した第4章「『一般理論』の同時発見?」が重要。
わかる現代経済学 (朝日新書)2007/12/13 根井 雅弘 (編集)
現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ 単行本(1989/4/27) 根井 雅弘 (著) 国有企業なんてフレーム無理さ。国債運用の方がお得。 日本民法の父、穂積陳重の『法窓夜話』を現代語に完全改訳
法律エッセイの古典的名著が短編×100話で気軽に読めます
リライト本です。「なか見検索」で立ち読み頂けます。原版は
国立国会図書館デジタルコレクションで無料で読めます
法窓夜話私家版 (原版初版1916.1.25)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BT473FB
(続)法窓夜話私家版 (原版初版1936.3.10)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BP9CP5V >>101
ケインズはいいけどシュンペーターをイノベーションとかで持ち上げてるやつは何やらせてもダメな子 ケインズの代表作とされる
雇用・利子および貨幣の一般理論は、現代的妥当性がどれだけあるのか? >>98
中国共産党は「走資派」が実権を取り戻した後は
資本主義を急進的にバックアップしてきたよ。
もちろんある部分は社会主義的にコントロールされているが、
べつの部分では時としてネオリベだとすら言われるくらい。
そこで走資派政権への反発として毛沢東派がくすぐっていたりする。 ケインズはマルクスに対して冷ややかな言動しか遺していない。
そこを深読み・裏読みすればいろいろな解釈がありうるが、少なくとも言動的にはそう。
それに対してシュンペーターはマルクスに対してそこそこ好意的な言動を遺している。 労働価値説は長時間労働是正に役立ちそうな気がするんだがどう思う? シュンペーターは新訳が出たから読んだけど冒頭がちょっと簡単なぐらいであとはかなり難解でよく分からなかった >>114
実証的見地と規範的見地を混同したらダメだよ マルクスとケインズはケインズ本人よりもポストケインズ派とのつながりの方が大きいね
カレツキとかロビンソンとかスラッファ(withグラムシ)とか
イタリア、フランスの貨幣循環学派とか カレツキがやったようにマルクス再生産表式から有効需要の原理は導き出せるのだから
マルクス経済学と近代経済学との間にたいした齟齬はない
限界効用理論との対立もそれぞれ微分と積分に対応するに過ぎない
ただし労働組合の意義をどう捉えるかが問題でこれには素朴な集合力理論に立ち還る
必要がある
協同組合と労働組合の齟齬などはラッセルは指摘しているのにマルクス主義者は無自覚だ
代替案を提示していない
プルードンとマルクスを対立関係に捉えない柄谷行人に唯一の希望がある >>119
レオンチェフの産業連関表を再生産表式から考案した。 日本民法の父、穂積陳重の『法窓夜話』を現代語に完全改訳
法律エッセイの古典的名著が短編×100話で気軽に読めます
リライト本です。「なか見検索」で立ち読み頂けます。原版は
国立国会図書館デジタルコレクションで無料で読めます
法窓夜話私家版 (原版初版1916.1.25)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BT473FB
(続)法窓夜話私家版 (原版初版1936.3.10)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BP9CP5V 労働価値説は資本主義システムを支えている性質であって、
共産革命は労働価値説を終わらせるための革命になるはずだ、
とマルクスかエンゲルスが考えていたとしたら、
あるいはマルクス主義者のどなたかが考えていたとしたら、
なかなか面白い。 >>122
「共産主義革命後の社会でも価値法則は通用するか?」という問題がソ連で1920年代に論争になったことがある。
結局、「価値法則は消滅する」と言った連中は肉体的に消滅させられ、「通用する」と主張したスターリンが勝った。 北海道で社会問題化しつつある中国人による土地買い占めの現状を
中国の首相がわざわざ北海道を訪れることで正当化しようという
ナチスヒトラーのような悪の狙いがある
北海道知事はもっと真剣に中国人による土地買い占め問題を解決しなさい! 産業関連表や産業関連分析について詳しく網羅的に書いてる本を教えてください
英語か日本語の本でお願いします >>126
宮沢健一先生か新飯田宏先生の「産業連関分析入門」 計画的に生産すると、食材の男女差、年代差、洋品洋服の買い違えが増え
時間的な経済的なロスとなりました。自由な選択肢がないために、
届かない商品を、どう保存調理するか、製品のリメークや血統的価値を高める
何かがあるので、まだ経済学は続きます。他人を受け入れず自分でいる
自由資本主義経済も必要ということです。 それでいても限界効用説は難問中の難問でしょうね。経済分野以外の古典に残る。 >>126
filetype:pdf Wassily Leontief input-output contents edition
filetype:pdf input-output analysis contents edition
などでググってみるんだ。
総務省 産業連関表
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/data/io/index.htm
Good luck with your study. Python向けにPyIOというモジュールがあるらしいね。フリーで。 何だっけ?
資本主義的生産と消費の矛盾つまり商品の過剰、もしくは資本の過剰か、といったプレトラを軸に景気循環(好況、不況、停滞)を説く方法があったよね。 されどマルクス|日本評論社
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7742.html
定価:税込 1,296円(本体価格 1,200円)
発刊年月 2018.05 判型 B5判 124ページ
内容紹介
2018年はマルクス生誕200周年の記念イヤー。いまマルクス経済学およびマルクス主義的な
アプローチの魅力と有用性を問う。
【日本評論社創業100年記念出版】
目次
1 対談:現代の経済学とマルクス
佐々木宏夫(早稲田大学) × 吉原直毅(マサチューセッツ大学)
2 総論:マルクスと現代
1. 労働価値説讃歌 サイモン・モハン(ロンドン大学クイーン・メアリー名誉教授、訳:斎藤幸平(大阪市立大学)
2. マルクスの経済成長及び所得分配に関する理論の重要性 アミタバ・K・ダット(ノートルダム
大学政治学部)
訳:村上弘毅(中央大学)
3. マルクスと現代ミクロ経済学 サミュエル・ボウルズ(サンタフェ研究所)訳:金子創(大分大学)
3 マルクスと現代的政治経済学
4. 搾取理論 吉原直毅(マサチューセッツ大学)
5. 資本理論と要素所得分配論 黒瀬一弘(東北大学)
6. 景気循環論 大野隆(同志社大学)
7. 経済成長と所得分配 新古典派成長理論とポスト・ケインズ派成長理論 佐々木 啓明(京都大学)
8. MEGA研究から見える新たなマルクス象 佐々木隆治(立教大学)
9. フェアトレードとマルクス経済学 大野敦(立命館大学)
10. マルクス主義哲学における規範理論の展開 松井暁(専修大学)
11. 行動マルクス経済学の可能性 川越敏司(公立はこだて未来大学)
4 マルクスと現代資本主義論
12. 金融資本主義論:西部忠(専修大学)
13. レギュラシオン理論:マルクスとケインズを超えて 植村博恭(横浜国立大学)
14. グローバル経済論:グローバル金融危機・経済危機と「グローバル恐慌」論 河村哲二(法政大学)
15. 世界システム論:資本主義の脱問題化に抗して 山下範久(立命館大学) ゲゼルマネーにつながる認識
中期マルクスに可能性はある??
マルクス『経済学批判』第一部 資本について 貴金属
http://web1.nazca.co.jp/hp/nzkchicagob/DME/KeiHi1.html#KEIHI1124
…
貴金属の高い価値比重、恒久力をもち、相対的意味では破壊されず、空気にふれても
酸化しないという性質、とくに金のばあいは王水以外の酸には溶解しないという性質、こうし
たいっさいの自然的属性が、貴金属を貨幣蓄蔵の自然的材料たらしめている。だからチョ
コレートが非常に好きであったらしいペテル・マルティルは、メキシコの貨幣の一種であった
袋入りのココアについて、つぎのようにのべている。「おお、いみじくもよき貨幣よ、おまえは
人類に甘美にして滋養のある飲物をあたえ、その罪のない所有者を、貪欲という業病から
まもってくれる。なぜならば、おまえは、地中に埋蔵されることも、長く保蔵されることもでき
ないのだから。」(『新世界について』《アルカラ、一五三〇年、第五編、第四章》。)
…
最後に、金銀が、鋳貨の形態から地金形態に、地金形態から奢侈品の形態に、またその
逆の方向に転化されうること、それゆえひとたびあたえられた一定の使用形態にしばられ
ないという、ほかの商品よりすぐれた点をもっていること、このことは、金銀を、貨幣という
たえずひとつの形態規定性から他の形態規定性に転じなければならないものの自然的な
材料たらしめるのである。…
(前半を『されどマルクス』2018,94頁で実験経済学の川越敏司が引用している) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています