ミクロで考えたら余分になった労働者の賃金や失業の問題はどーなるんだよとか
言う話しに決着がつかない。最初からマクロで考えるのが正しい。マクロでいえば、
所得が倍になって物価が一定というのは、かつて購買していた商品が年間100種
だったものが200に増えるということであり、おなじ人口条件のもとでは旧100に
必要な労働投下が半分となり、同時に新規に発生した商品100にその余剰が
吸収されている状況を指す。この新100は物品でなくともサービスでも良いし、
あるいは研究開発や設備投資のための物品供給やサービスでも良い。

であるから、実は新規の物品やサービスが大衆に受容されるということと所得の
拡張は密接に関係しており、これが無い場合には増加した所得から失業した者への
所得移転を行わなければ、マクロとしての所得は増加しないことになる。逆にいえば
所得の移転だけに頼って新規の物品やサービスが増えなければ実質的な可処分
所得は増えないことになる(当然1年間に購入できる商品は変わらない)