すっかりご無沙汰だったけれど、一冊読み終わったので紹介。

Sweet Tooth, by Ian McEwan

恋愛小説、なんだけれど、スパイものの側面、文学や詩や芸術そのものをテーマにした小説の側面のある、不思議な小説。

MI5の下級職員になった主人公Serenaは、若い才能のある作家にひそかに資金援助して反ソビエト、反共産プロパガンダの小説を書かせる、Sweet Tooth作戦に動員される。
そこで、若い作家と恋仲になるところまではありきたりだが、ここからな捩れ方がなかなか凝っている。

結末はどうやらハッピーエンドらしく(考えてしまった)読後感は良い。
作家、詩人、音楽家や、歴史をゆるがした大物スパイが多く登場するので、こういう知識があったほうが楽しめるかな。

そんなに長くないので、複雑な小説が好きな向きにはおすすめ。ただし英語そのものの難易度は低くない。