そもそも名詞構文は日本人の造語だよ。

江川によると、名詞構文の考え方は、古くはJespersen (Essentialss of English Grammar, 1933) のネクサス実詞 (Nexus-substantive)、
,ほかには Quirk ら (A Comprehensive Grammar of the English Language, 1985)の名詞化変形 (Nominalization) の一環として取り扱われているそうです。
しかし、外国におけるこれらの研究は日本の英語学習を意識したものではない、つまり訳の工夫などは盛り込まれていないわけで、
こんなことを英語論文で調べるのは馬鹿か、はたまた大先生のやることです。

そういえば、伊藤先生と山口先生が大昔湯河原で勉強会合宿を開いた時、伊藤先生がJespersen を参考にしているのをみてたまげた、
と山口先生の本(英語構文全解説−コンプリート英語構文の研究社による改訂再販版−)に書いてありましたね。
受験参考書にNexus という用語を持ち込んだのは山口先生ですし、伊藤先生の本はNexus 研究書と言ってもいいような内容です。
ちなみにNexus というのは解剖学(組織学)の用語で、心筋(心臓だけに存在する特殊な筋肉)細胞間の情報伝達に関わっていると推定される特殊構造につけられた名前です。

今回勉強してみて、名詞構文が名前の割には参考書で扱われておらず、ごく一部の本でしか調べられなかったのは正直驚きでした。
>>920で、行方先生が、佐々木高政の『和文英訳の修業』の絶版に大変ショックを感じた、と正直に書いていたことをレスしましたが、
受験参考書の中には絶やしてはいけない本もありますね。