>>297
確かに、社会学が法学一般に比して数学的厳密性に欠けるのは認める。
しかしそれはそもそも社会学の扱う対象自体が動的である一方で、
「法」は特に日本に於いては硬性で静的である為であるというのが一点。
また一般にどこの社会でもマスコミや一般大衆それ自体はむしろ右派的伝統回帰的であるのに、
社会学者はむしろ左派的或は中立的立場を取ることが多いので、
社会学が大衆迎合することはあり得ず、
むしろブルジョワマスコミが学問の権威を借りるために社会学に表面上迎合しているだけであるというのが一点。

「ローマ法の昔から言葉を厳密に扱う、数学のような理学の精神がある」
このローマ法の伝統に過剰に拘るRomanistenの態度に対してJheringが向けた批判として「概念法学」という語がある。
また厳密性を重んじることと官僚的形式主義とは似て非なるものであって、
それを意図的に混同し少しも形式主義を恥じない態度こそ「科学」の精神に反する。

序でに言っておくが私自身は別に理系を礼賛するつもりは毛頭ない。
ただ日本の右翼的学歴主義者は往々にして文系を総じて蔑視し東大理系を崇拝する傾向にあるくせに、
政治の話になれば東大理系こそ左翼の出身校であることを無視して「左翼はバカ」だとかいいつつ、
それこそ大衆に迎合することをだけを生業にしているような、
漫画家や作家といった相対的に低学歴の文系右翼論壇人を持ち上げる態度の矛盾、これを指摘しているだけ。

しかし全体としてはあなたの仰ることはわからないでもない。
私も大衆迎合を排して厳密性を重視する伝統を最低でもアカデミズムの世界に築かなければならないと思っている。

その上でまだ何か反論があればどうぞ。