それではリアリストの皆さんの意見を伺いましょー。

○ジョージ・ケナン(ソ連封じ込めを立案した外交官)
・NATOの拡大は、冷戦後のアメリカの外交政策の最も運命的な誤り
https://www.theamericanconservative.com/articles/natos-wrong-turn/

○ヘンリー・キッシンジャー
・ウクライナはNATOに参加すべきではありません
https://www.washingtonpost.com/opinions/henry-kissinger-to-settle-the-ukraine-crisis-start-at-the-end/2014/03/05/46dad868-a496-11e3-8466-d34c451760b9_story.html

○ジョン・ミアシャイマー(国際政治学者、シカゴ大学教授、地政学の権威)
・危機の直接的な原因は、欧米が北大西洋条約機構(NATO)の東方への拡大策をとり、ウクライナをロシアの軌道から切り離して欧米世界に取り込もうとしたことにある。
https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/201409_mearsheimer/

そして、ウクライナで米露が対立すると、ピンチになるのは私たち。

・ウクライナ問題は一般的に言われているようにプーチンロシア大統領のせいというよりは、西側、主に米国が原因をつくり、結果としてウクライナ危機は中国を利して、日本に対しても安全保障上、深刻な影響を与える可能性をもたらしている。
https://spc.jst.go.jp/experiences/coverage/coverage_1501.html

○エドワード・ルトワック(軍事戦略家、地政学の権威)
・ウクライナの国土統一」は、「アメリカの国益」ではない。
ところが、「アメリカに協力的なプーチン」は、「アメリカの国益」である。
私だったら、まずプーチンと交渉する。
そして中国問題に集中するようにプーチンに持ちかけるのだ。
『戦争にチャンスを与えよ』2017年

ウクライナ危機とはNATOの東方拡大だ。
2005年のアスタナ合意(上海協力機構)がそうであるように、ロシアを追い詰めると、中露の結びつきが強化される。
また、アメリカの極東での軍議展開も薄くなる。
中国を封じ込めるにはロシアの協力が必要。
結果として、NATOの東方拡大で利益を得るのは中国。
ロシアを批判し、NATOの東方拡大を支持している人たちは自分で自分の首を絞めていることに気がついていない。
そもそもワルシャワ機構が解体した以上、NATOに存在意義はない。