この野球部のマネージャーになれて、本当に良かった…。
私は幸せをかみ締めていた。
全員きちんと坊主にして、毎日真面目に練習して…。
そしていつも私に気を使ってくれる、優しい部員達。
(嬉しいな…)

やがて練習終了の合図の、挨拶が響き渡った。
もうすぐ、部員達がやって来る。
(…あれ?でも…私ここにいたら、みんな着替えられないよね?)
そうも考えたが、とりあえず皆が来るのを待っていることにした。
…ガチャッ
一番先に入って来たのは部長だった。
練習が終わった後はいつも上半身裸で、私はいつまで経ってもそれに慣れなかった。
「ぶ、部長…服着て下さいよ!」
『はは、悪い悪い』
そう言いながらも、服を着ようとはしない。いつものことだった。
そして、続々と部員達が部室に入って来る。
本当に一軍メンバーばかりだった。
全員が部室に入ったところで、扉に一番近い部員が鍵をしめた。
そのことを、私は何の疑問も抱かなかった。
『じゃあ、これからマネージャーの歓迎会を始める』
『っす!!』
「みんな、ありがとうー!」

どこから持ってきていたのか、大きなシートをひきお菓子や飲み物を広げた。
部員達に手を洗わせた後、皆で談笑しながらお菓子を摘んだ。