抽象絵画のエッセンスは書や山水画などのそれと同じものだと言える。
水墨画、山水画を理解する事はデザインの根幹を理解する事に等しい。

とりわけ虚実相生の思想を感じる事が最も意義深い。
その思想・方法論とは、ネガポジの相互形態干渉によって奥行きと空間を認識し、
絵画に不可欠な平面的均衡をも、そのするどい対比によって同時に成立せしめんとするものである。

これら構成上の方法論は書から派生したものと考えられるが
世界各地のさまざまな民族の芸術においても似たような発想はあり、
西洋美術、アメリカ現代美術においても同様の方法論がよく見られる。

ポロックは陰陽の二元的認識から第三の認識(レイヤー空間)が発生することを強調した画家。
似た認識を持つ画家に、マティス、リキテンシュタイン、クリフォード・スティル、熊谷守一、
ディーベンコーン、Lou Loeber、ステラ、イミ・クネーベル、コルビュジェの絵画などが挙げられる。