なるほど商売(収益性)の点から考えた場合、そういうことが
言えるのかもしれないけれど、勝山智充の場合は個人的な資質も
大きく関係していたみたいだよ。

普通、詐欺というのは相手にわからないようにやるんだが、
勝山智充の場合は、わざと、わかるようにやるんだな。
修理のために預かった刀をメチャクチャにしておいて、
法外な料金をふっかける。依頼者がショックを受けるのを
見て、それを楽しんでいたらしいんだ。

薄気味の悪い奴だが、もともと、いじめっ子の使い走りを
するような気の弱い子供だったらしい。それが父親の死に
ともなって勝山剣光堂の後を継ぐんだが、人から認められる
ような能力があるわけでもなく、うっぷん晴らしに詐欺に
のめり込んでいったということらしい。

心因性の常習犯なので、こういうのは、なかなか
治らないと思う。