作品個別に美術的価値があるかを問うて行くと何にでも例外が出て来ちゃうんで一般論で話すしかない気がするけど

「工芸」と「美術」の違いは、用途の有無ってのが一般的な見解じゃないかな
用途があるものは「工芸」
用途のないものが「美術」
美術的に優れてるか、市場価値があるかはまた別の話ね
そして「陶芸」は「工芸」の一分野って扱い
これが一般論だと思う

粘土や磁土を素材として使って焼成という工程を経ていても、用途を持たない造形物の場合は「美術」
走泥社辺りがやろうとしたことだよね
彼らは、用途のあるものは不純であるとして、勝手に工芸を美術より下位に位置付けた
用途のない、最初から鑑賞物を目指して作られた陶芸作品は「美術」に分類されるのでここでは除外して考える


陶芸は工芸の中でも極めて特殊な分野だと思う
一般的に工芸に於いては、素材や工程で起こる矛盾点や制約、困難は解決すべき問題でしかなく、それを技術で解決することこそが工芸の本質だと思うんだけど
陶芸は、作り手も買い手もそれらを解決しないままに楽しむという、工芸にあるまじき面白さがあるように思う
そこが陶芸の特殊性じゃないかと
そういった意味で、他の工芸よりも美術寄りの評価がされることが多い気がする