国際美術館の「トラベラー」は、あの美術館が
年に1度程度するガラクタの展覧会だったわね。
(ごく一部を除く)
要するに、所蔵していながら普段の展示にはどうしようもないものを
ただ展示しただけって感じよね。説明はおろか、
作品のタイトルもパネル(キャプション)にはないし。
薄暗い展示室で、目を大きく開けたり細めたり、
手に持っているリストの紙を目に近づけたり遠くに伸ばしたりして
番号と照合・格闘の末、ようやくわかるのよ。
地下2階の通路のところで、客が前をよぎった時にだけ
声を張り上げるの、あれってあの歌のような声が作品なのね。
録音した声じゃダメなのかしらね?
叫んだ後で「これはプロパガンダ・・・」って、誰にも
目を合わせないようにつぶやくのが何とも言えないわね。
あの仕事で日給3万円頂けるなら、私がしてもいいわ。
何てったって「1オクターブ」の声域を持つ私なのよ、
あれぐらい朝ごはんの後ならできるわ。