さすがだと思ったのは、非彩色の水墨画でも、
墨の濃淡によって見ている側の脳内で
勝手に彩色画を見ているように
色が再現されたように感じるのよね。
そう、それはちょうど昔のテレビのフランス語講座の
オープニングで白黒の濃淡のみの
ボールかシャボン玉が飛び跳ねているのを見て、
まるでピンクやブルー、イエローやオレンジといった
色のついた球形が生き生きと動いて見えたのと同じよう。
実際の色を実際の色で再現するのではなく、
形で言うと写実ではなく、またデフォルメでもなく、
余計なものを省いて極力単純化したとでも言うような感じ。
図録も、おととしの東京国立近代美のみで行われた
安田靫彦展の図録と同じ綴じ方で
見開きの2ページが見やすいのもうれしいわ。
次の東山魁夷展も楽しみになってきたわ。