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『書道講座』(二玄社)巻頭より。西川寧。
>◇“書”の効用は特殊なものであるだけに、よく、実用の書・教育の書・芸術の書などとわけて説明する人が
あります。この分類は、実はたわいのない子供だましですが、わけて見ればそうもいえるのでしょう。

昭和中期は教育書道、実用書道、芸術書道にジャンルを分けて捉えるのが一般的だった。
具体的には芸術との接続段階までを含み、しかも基礎が芸術でないとは限らない。
芸術は技術。基礎も技術。応用もまた技術だが、表現に技術が隠れる度合いは増す。
この関係は「創作」と「自運」の違いと似ている。明治と大正は連続するが時代は違う。
分別基準が廃れると、教育書道は団体名に残るだけ。明治製菓や大正製薬みたいに。