>>21
「ず」を前提にすれば、もう>20は成立しないだろうね。
だが、「ず」自体が複合的な助動詞であって、
このことは、「ぬ」と「ず」でアクセントの振る舞いが全く異なる(京阪式の場合)でもわかる。
おそらく、「ぬ」系の助動詞が本体で、これが後天的に「す(為)」を従えて活用を獲得したのだろう。
つまり「ず」が「あり(有)」を従えてザル型活用を獲得するその前に、
「す」を従えた前史があったことになる。

ここまで想定すると、最古の否定助動詞は「*ぬ」または「*に」ということになり、
これは「む」とパラダイム的と考えてよいのではないかとも思う。
未然形なるものは、とどのつまり、「ず」と「む」の説明さえ出来れば話は終わるので、
これだけでよいといえる。俺自身は未然形に何がしかの意味を付与することには批判的だが。

>>22
それは橋本文法を善意に解釈しすぎなんじゃないの?
自動詞/他動詞の屈折的変化と、れる・られる/せる・させるの膠着的接続は、連続するものであることは明らかだし、
アクセントの上でも、後者は明らかに独立した地位を持たない。