>>34
> いずれにしてもこの人は「この手の番組をよく見かける」とも
> 「この手の番組がよく見かけられる/見られる」とも言わないのだろう。
「見かける」には対をなす自動詞「*見かかる」が欠けている。
こういうときは「見かけられる」で代用するのが本来だが、「見かける」が自他両用になってしまっている。
この種の自他の誤りは確かに最近多い。
「*CD がかける」とはこの人も言わないだろう。「CD がかかる」と言えばいいから。

> 菅首相も「国民の皆様がよく理解していただいて」のような言い方をよくするが
「V-ていただく」の「-ていただく」は 1 形式で、V の動作主を「-に」に変えるという、ヴォイスのはたらきをする。「V-てもらう」についても同様。
しかし、このように振る舞う補助動詞「-て v」は、他に例がない。
「私が [国民の皆様がよく理解し]て いただく」のような解釈がなされ、「-ていただく」の脱範疇化が起こっている。
補助形容詞「-てほしい」の場合は、「私は 君に 来てほしい」「私は [君が 来]て ほしい」両方の構文が見られる。