☆ゲシュタルトを感覚的に整える音韻交替についてのメモ

仮にアラビア語からパクって「〜を理解する」をfahma[fahm̥ə]としよう。この単語の/m/は前の/h/に同化して無声化している。
そして仮に一人称単数の能格接頭辞をm-としよう。

組み合わせると*mfahma。これだと発音しにくい。
最初の母音を渡り母音として追加して*mafahma。意味を通すだけならこれで充分だろう。

しかしこれだと長くて見栄えが悪い(見栄えの良し悪しは個人の感想です)。
なので適当に母音を抜かしたり弱化させたり、更に子音も連濁させたり、鼻音の影響で鼻母音化させたりする。
そうしてできた形はmavham[mavɦə̃ʊ̃]。
今度は/h/の方が前の/v/の影響で有声化、mは完全に口を閉じない「半分のm」(モンゴル語のハガス・イーの真似)つまり口を窄めながら「ン」と言う音と交替させる。

これがゲシュタルトを感覚的に整えるということだ。
大きく変わっている様に見えるが実は舌の位置はほぼ不動だし、声帯の振るえも前の子音を優先しているだけに過ぎず、[ʊ̃]という鼻母音も[m]を発音の途上で唇を停止しただけである。
故に音素だけ書き記すとむつかしそうだけども、耳で聞くと直感的に理解できるはずだ。

だがもちろん私は[mafahma]と断固はっきりと発音するのだと言うなら、それでも意味を通すという目的には見合うので許容される。
ただしそれはお上品でないアクセントであり、ポライトネスに欠けてると見なされる(という設定)。