赤土のことを「に」と言ったのは、
「にこし(和・柔)」の「に」で柔らかい粘土であることを言っていた。
赤い色、丹色のことをさすわけではなかった。
とげとげしい激しさがなく、軟弱でぼやけて、やさしい。
よって【にほふ】匂うは、「丹穂」で赤いことではなく
「ぼやっと滲んだ気配を帯びてそれがなんとなく感じられる」の意。
柔らかく覆い包む、滲み出す雰囲気。
滲む=虹、濁る=ぼやけてはっきりしない。鈍い=激しくなく、おだやか。
にぎやか≒なごやか。ただ騒々しいことではなく
静かであっても晴れ晴れとして柔らかい楽しげな雰囲気であれば賑やか。
煮る=茹でることで柔らかくする・味を滲ませる=和(に)る・柔(に)る
よく問われる煮ると茹でるの違いは
「柔らかくなり他と調和する」のが重点か、単に「湯が立つほどの高温に入れておく」かとなる。