上代特殊仮名遣い 三音目
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0317名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/06/20(金) 11:05:28.230
>>313, 314
議論に挙がっているトマ論文にも引用されているように,服部四郎は本土で狭母音化しないe, oに長母音*ee, *ooを立てる。
トマ論文では長母音の方が狭母音化しやすい一般的傾向をもとに(長母音を再建するなら)むしろ逆にすべきだと主張するが,
いずれにせよ長母音が日琉祖語に立つ根拠は今のところ無い。
首里などに見られるʔuuku(0)「奥」などから服部四郎は*'ookuなどの長母音を再建することで,2拍語のB系列とC系列(松森の命名。服部は群)が分かれる理由を説明するが,
(*'ookuはどちらかというと本土の「奥」を'okuと解釈することの説明のためだが)
3拍語以上でも同様の説明が可能か,A系列に長母音がほとんどないことをどう考えるか,そもそも長母音を認めた場合にその分布はどうなるのかなど問題が多い。
この長母音はアクセントと対応するので,恐らく語頭にアクセントを持った型の(上昇調?に伴う)音声的長母音が(その後のアクセント変化を経て)固定したものと見られる。
本土にもこの2拍C類と対応して長母音や長音節がいくつかの語に現れる方言があるが,同様に日琉祖語の古い語頭アクセント型の反映なのかもしれない。

>>316
数詞には長母音が良く現れるが祖語にまで再建する必要があるのか不明。「三つ」「四つ」「六つ」「八つ」などは「‐つ」の前が自立語相当の一拍語扱いされ2モーラになり,
それが「一つ」や「二つ」にも及んだと思われる(本土方言でも「三つ」「四つ」「六つ」「八つ」に促音が入るが,数え上げの調子の影響か?cf.「三日月」)

>>316を書いてから>>313, 314を書いたので流れがやや不自然に。さらにその前に次の>>315から書いている)
0318名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/06/20(金) 11:11:17.860
>>315
mi:ci, mu:ciが首里方言形なら,首里では狭母音の前のi, uは落ちないので*e, *oを再建せず*mitu, *mutuで良い。
後が非狭母音にも関わらず母音が落ちないmuuku(0)「婿」は例外だからこそ*mokoを再建する根拠の一つとなる。
(†Ndaとならないmura(1)「村」からも*moraが再建されるか?cf.NdasjuN(1)「濡らす」)
また,奄美の大和浜のように琉球祖語の*miと*meがそれぞれmi, mɨで現れる方言でmiitsɨ「三つ」(<*mitu)であるのも*miを再建する根拠となる。
(cf. ʔami「網」(<*ami),ʔamɨ「雨」(<*ame),miN「耳」(<*mimi),mɨdzɨ「水」(<*medu),mɨmɨdzɨ「蚯蚓」(<*memezu))
ただし,首里でも「三つ」と同源とされるNcju(1)「一昨年,三年前」<*mituでは狭母音の前で*iが落ちている。mutu(1)<*muto「六年」と合わせれば*mitoを再建すべきか。
「六つ」を*motuでなく*mutuと再建すべき積極的根拠を私は知らないけれども,南琉球の宮古でm:tsI「六つ」,mugI「麦」,となるのを参考にすれば*mutu,*mogiか?
*muだという理由が無い一方で,*moを再建する積極的理由もない。
一方で,少なくとも私の知る限り,純粋に同じ環境で*iと*eもしくは*uと*oが対立するのは*piru「昼」と*peru「蒜」しかない。
そのため,*e,*oが本当に日琉祖語にまで遡るのか分からない。>>309にも指摘があったように,kusui(0)「薬」のsuは(順行)同化の結果と見なせるし,他の方言でも類似の説明が
出来る可能性がある。対比して挙げられている「臼」とは問題の音節が語中か語末かという環境差がある。「馬」と「海」も後続する音節が狭母音/非狭母音などが影響した可能性もある。
ただし,奄美大和浜のmɨdzɨ「水」などから,少なくとも琉球祖語の段階では*medu相当の音声だったとは考えられる(同様に*kusoriを再建することに問題はない)。

(宮古のIは舌尖母音の代替表記)
0319名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/06/20(金) 11:15:29.040
317のミカヅキ「三日月」はミッカ「三日」に対して書くべきもので,ここでは「三つ編み」とか「三つ葉」にすべきだった。
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