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上代特殊仮名遣い 三音目
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0362名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/07/06(日) 04:25:53.660
アクセントの話ばかりするのもあれなので>>344の仮説についていくつか質問。
>・5母音時代1(3世紀あたり?) : eが例外なくiに高舌化
>上代特殊仮名遣いの時代(8世紀あたり) : iaからe1が発生
と言っているので,上代のe1は全てia由来(*eaも含むか)と見るのだと思うが,2形態素/Ci-a/に由来しないiaは二重母音か,それとも母音連続か。
ke1sa「今朝」は*ki-asa(or *ke-asa),me1「女」は*mina(cf. wo-mina, o-mina),ipe1「家」は*ipi-a(cf.東国〈伊波〉ipa)に遡ると見なしうるが,
uke1ra「オケラ(植物)」,kape1r/s-「返る/返す」,kape1ru「蛙」,ke1pu「今日」,sake1b-「叫ぶ」,take1-「武」,pe1ta「海辺」,pe1ra「箆」
などにその想定は難しく,多くは近接するaの影響による個別的なi1の低舌化(i1>e1/a_,_aである意味ia>e1)などで説明するとしても,
(aki1ra-「明ら」,kagi1r-「限る」,ki1pa「際」,pi1kar-「光る」,mi1ra「韮」などがあるので規則とまでは認めがたい)
ke1pu「今日」はki1no2pu「昨日」と比較し-pu「日」という形態素を認めるならke1という形態素があったことになる。「今日」を*kiapuと再建するのは良いが,
iaを母音連続と見る場合,他の母音の組み合わせは許容されるのか,二重母音と見る場合,*uaのような他の二重母音はなかったのか。(体系に関する問題)
*uaについては,前スレ797-803辺りを中心に議論があったようだが結論が見えなかった。仮に*uaがあったとしても,*iaに先んじてo1に合流したため区別できないという立場だろうか。
日本語でも,例えば平安時代以降のaiとauでは振舞いが異なるからその想定自体は不自然ではない(漢字音だけでなく音便も同様)。
私は「子」が*kuaと再建できるのではないかと思う。村山説ではツングース祖語*kuŋaaとの比較やwoguna「童男」<*wo-kunaとの内的再建から「子」*kuŋaaを再建している。
http://db3.ninjal.ac.jp/SJL/view.php?h_id=0470170300
(長すぎたのでいったん切ります。)
0363名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/07/06(日) 04:35:04.280
rosetta_stone氏も以下で触れている(全くの余談だが,私はこのサイトのおかげで比較言語学に目覚めた)。
http://homepage3.nifty.com/rosetta_stone/wissenshaft/AN_2/ANJP_16_18.htm
アルタイ語との比較はさておき,村山も指摘しているように琉球諸語の対応から琉球祖語には*kuwa, *ku'aのような形が再建される(*kora「子等」にはならない)。
*kuraは首里のkkwaからすると怪しく(「鞍・倉」はkuraのまま。ただしmakkwa「枕」なので接辞的な形の影響が考えられる),与論でmakkura「枕」,kwaa「子」のため*kuraは否定される。
*kuwaも首里のkwaa「桑」を見ると疑わしい。とすれば二重母音形*kuaが琉球祖語形としてふさわしいのではないだろうか。
これ以外の例を挙げられないのが残念だが,可能性として指摘しておく。
前スレ487のようにwori「居り」を*wu-ariとする意見もあるが,首里'uN<*worimuはすでにwor-になってしまっている(†(ʔ)waNではない)。
ちなみに村山説のように長母音の*ku'aaとすると,「豚」は首里でʔwaaであり,これは*u-aaに遡ると思われるので(本土のwi「猪」は*u-iか),†kwaaを予測し不可だろう。

>・有坂時代(5世紀あたり?) : 語内でəとuoが共存できなくなる、ただしiが支えになるusiro kusiro musiroは例外
有坂法則を祖語来とは見ないようだが,琉球語含め有坂法則が適用されているように見える以上,日琉祖語にはすでに存在した法則と見た方が良いのではないか。
たびたび取り上げられているトマ論文でも,甲乙の書き分けのないwo, poで,琉球語の対応からawo1「青」,o(2)po2-「大-」と再建する必要があることを述べている。
また,前スレ978で述べているように第一・第二法則が同化法則だったとして,どのような場合にどう同化されるのかを規則化しないと,毎度ネタで出てくる某氏と同レベルになってしまう。
同化規則と見ること自体は良いと思うが,これは本土で起こった改新のようだから,琉球とずれている例を示す必要がある。
私は有坂法則は日琉祖語ですでにあったものと見る。例外はいずれにせよ説明が必要である。usiro kusiro musiroは有坂法則が日琉祖語に「なかった」とする立場に有利だが,
これらは複合語の可能性もあるのではなかろうか。
0364名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/07/06(日) 04:51:47.070
「柄渠觚」*pe1ko2ko1(?)から法則の年代を予想しているが,有坂時代以降でも2形態素から成るなら「男」woto2ko1のように共存している。
「柄渠觚」もpe1ko2とko1の2形態素から成るなら有坂法則の例外でも問題ない。pe1ko2が何かは不明だがko1は「子」だろう(恐らく*kuaに近い形)。
問題のusiro2 kusiro2 musiro2だが,wo-siro2「尾-尻」,*mo-siro2「敷物-代」と考える。kusiroは借用語ゆえの例外だろう。
usiro2はusagi1(東国wosagi1)と同様に語頭で狭母音化が起きた。siro2「尻」は例証されないが,「山城」(原義は山-代)が「山背」と書かれることを参考に*siro2「尻」が再建できる。
「尾」は強引かもしれないが,「後ろに付いている」というメタファーで,それに「尻」を重ねたものか。
*mo「敷物」だが,恐らくこの語自体は全く例証されない。推定の根拠として,奄美の一部方言で「畳」の最後の音節が*meに対応することがある(大島,喜界島,与論?)。
琉球でも「畳」は基本的に*tatamiに対応するため,最後の音節は*miで良い。
従って,奄美の一部方言の形は*tatami-meに遡ると推定する(*tatamime>tataNme>tatame)。この*meが*mo-iに由来すると見る。八丈でも筵はモショ(<*モシロ)である。
と,ここまで書いて気付いたが,moがmo1だとmo1-iは琉球で†miになるはずで,mo2だと本土で狭母音化しないはず。
琉球の対応と奄美の形を重要視してmo2としたいが,*mo2siro2>musiro2は例外的な変化と言わざるを得ない。
いずれにしても以上の議論は複合語と見るのに都合のいいデータを並べただけで説得力はないが,そのような解釈も可能という例として示す。
ところで,前スレ540にも出ていたが,「釧」のように朝鮮語のkom(a):kuma「熊」,kop-:kupa-「麗し」,koč:kusi「串」,koč《花》:kusa「草」,kosɨr:kusiro2「釧」
などの「o:u」の対応はどう説明されるのでしょう。朝鮮語*o→日本語*uとすると390 ◆oflnzmdu96氏のoの狭母音化の例外となってしまうから,
この対応が生じた時期,朝鮮語では*uだったと推定することになるのだろうか。
一方でo(r)i:uri「瓜」は宮古での対応から*oriが再建され(uL「瓜」<*ori:vv「売る」<*uri-),借用?時期などで多重対応している可能性もある。
(朝鮮語に関しては今手元に資料がないので適当)
0365名無し象は鼻がウナギだ!
垢版 |
2014/07/06(日) 04:55:12.490
>・o高舌化時代 : oがuに高舌化、はじき出されたuが_化(今名づけた。有声音の後やア行ではNに、無声閉鎖音ではɿになる)
私は,琉球祖語の段階では「_化」は起きていないと思っているが,今それを示せるデータがないためひとまず保留する。
「有声音の後やア行ではNに」としてしまうと奄美などこれが起きていない地域,方言で*nuか*muのどちらになるか説明できない例が出ると思われる。
また,「無声閉鎖音ではɿになる」も,当てはまるのは*su, *tuだけで,特に*tuはtɿであれば多くの方言で破擦化することの説明がしやすくなるが,
*ku>kɿとしては宮古のfuを導きづらくなってしまう(*kinu>kɿN>cɿN「着物」のように,むしろkɿ>†cɿとなるだろう)。
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