上代特殊仮名遣い 三音目
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度々すみません。アクセントの話をしつこくしてしまったのには、ある理由があります。 琉球方言に関しては、分岐の「年代観」に関する、伝統的な対立がありますが、 「分岐年代繰り下げ陣営」の牙城が、アクセント論という面があります。 (もう一つが、「上代かなづかいの痕跡がないんじゃね?」という母音論ですが、 これはペラールを鍵として、現在進行形で越える議論がされつつあるので問題ありません) 従来は、琉球のアクセントは、「西南九州と連続」とすら考えられてきたわけで、 これでは、分岐は「京都の時間目盛で鎌倉期(14世紀)」になります。 八丈のように「情報ゼロ(無アクセント)」なら、却って無視することも可能ですが、 単純で中世九州的?なアクセントが残っている以上、これは無視できない。 これに対して、松森説が出てきたわけですが、 琉球方言の諸アクセント自体が、比較的情報量が少ない体系をしていることもあり、 まだ松森説の普遍化には、学問水準は到達していない。 これに対して361という一つの案が出てきたわけですから、 「系列を鍵に、日琉祖語の、院政京都の上流の古形を探る道はあり得る」 ということが一つ提示されたということで、 「アクセントによる中世分岐論の壁」は、仮処分的にクリアしたとして、 母音論に集中すべきかもしれません。 >>376-377 日本語起源スレは、学級崩壊というより、あそこは「永久に放課後」の感じと思った。 喧嘩も起きるが、基本的に、歴史板初心者スレみたいなフリーダムな漫談をやってる。 昔のN速+と同じで、空気を読まずにマジレスをやっても、案外許されそう。 あんまり行く気はしないけど。 「学級崩壊なう」は、アクセントスレだよ。 何の実益もない、しょうもない定義論をやってて、一瞥するだけで、もううんざり。 あれでは、引っ越す気は到底起きない。 あの手の定義論は、このスレでも時に持ち込む奴が居るが、何もいいことはない。 >>377 ついに内容面での問題点が指摘されてしまいましたね。 (>>374 の疑問はすでに>>375 で解決済みと見ます。) 表にしてくれたものは,細部は私の見立てと少し異なりますが,基本的には同意します。 すると,2.3Cはどうしても入りません。 下記のトマ論文のように,琉球アクセント研究者は,この2.3Cを少数の例外と見る傾向があります。 http://www.academia.edu/2374529/_ 恐らく誰も明言はしていませんが,皆さん内心では私と同様の仮説を立てているために,邪魔物の3Cを 「例外」としたいという思惑が働いているのではないかと勘ぐっています。 これが少数で留まってくれればそのような強弁も可能ですが,実は類別語彙以外にも目を向けると, 3C相当の語がちらほら出てきます(タゴ《桶》,タル《樽》,クシ《串》[2類],コブ《瘤》(?),…)。 現時点では3つの道があると思います。 1. 他のC系列(5C?)から2.3への個別的変化,あるいは琉球で例外的にC系列化したと見なす。 2. C系列に対応する型から何とか本土で2.3に変化する道を探す。 3. 潔く負けを認める。現実は非情である。 1.は分布などに微証が無い限りすすめられないし,3.は最後に取っておきたいので,ここでは2.について考えたい。 2つの型を占めている5Cから1つを拝借する。有標性から*RFを2.3Cの祖形とする。 3B LL = LL 4B LH = LH 5B LF = LF 4C RH > LH 5C RL > LF と合流しない変化が想定できるか。*RFは極度の曲折調のため,実現が不完全になり山が低めでかつ下降も弱かったとすれば, 3C RF > LMf > LL(?) と変化し得たかもしれない。ちなみに私は*LL, *LLLなども実際は最後が少し高い*LM, *LLMだったと見る(朝鮮語に類例あり)。 そのようにして4Bなど他の型とは合流せずに本土では3Cになったとしたいが,これはなお検討を要する。 >>378 西南九州が鎌倉期というのは,語頭の去声が低起群と対応するからでしょうか。去声>上声は14世紀の文献まで見られないのですか? そもそも琉球のアクセントを院政期京都から分かれたと見る人は,類別に対する系列のずれは例外と見なすのでしょうから, 日琉祖語アクセント体系の再建は,現実にあり得たという理論武装にはなっても,それを認めない人の説得はできないと思います。 悪いんだがアクセントの話は資料が少なければ何でも言えるということだよね >>380 370でざっくり同意したのに、びっくり仰天したのですよ。 琉球から外れますが、370的整序に対しては、 そもそも本土祖語(院政京都と言ってもいいです)が、下り核の位置アクセントなの? という深刻な問題が生じます。「どうとでもとれる」という形です。 さらに、通時的に下って行くと、 本土方言の場合、乙種外輪では、3音節23類において、院政京都の古い下り目を死滅させ、 乙種中輪から京都寄りでは、3音節456類は、院政京都の古い下り目を死滅させています。 前者は平板と化しましたが、後者は、「古い上げ核(か?)」が、せり上がりの末に、「新しい下り目」に化けています。 どの方言も、「古い下り目」のかなりの部分を、必ずどこかでまとめてジェノサイドしています。 ジェノサイドしなければならない、何らかの体系の包括的組み換えの末が、今の本土方言ということです。 そして、鹿児島は別枠かもしれない。 西南九州における、この過程に関する松森の研究は大変に興味深いものです。 となると、琉球は?ということになります。 本土方言を含めた上流を探る場合、「下り目一元論」で処理するのは、多重に危険です。 かぶせ音素の具体的マーカーは、今の段階で絞りこまないほうが安全と思います。 378に関しては、琉球方言を「乙種外輪の一種にすぎない」と処理する旧通説のことです。深く考えないでください。 >>380 3Cが割当らないのも悩ましいけど、3拍名詞ではC系列になっていた低高〜の語が2拍ではB系列にとどまっているのも変だわ 3拍以上の余裕があれば昇〜で始まる語を低高〜に分離できたけど、2拍名詞は別の処理の仕方をしたんじゃないの? 仮に昇〜を単純に低〜に変化させたなら 無 降 一 0 1A 2A 2A R 4C 5C 3C 2 4B 5B × - 3B × × こんな感じ。途中で誰かに合流することもなく、LMfのような類例のない形の想定も不要 >>381 すでに行われているのかもしれないけど統計学的な手法による評価も必要かもしれない(特に例外扱いについて)。 そもそも祖語は現在のデータを合理的に解釈する仮説にすぎないので,新資料の出現などによって修正は常に必要になる。 >>382 >「びっくり仰天」「深刻な問題」「どうとでもとれる」 が>374の >「下り目は有無だけが問題」 という誤解によるなら,>>375 で代わりに答えてくれているように3拍語(まで)では下降の有無に対応するのでまさに 「ざっくり同意」しただけです。高起式では下がり目の位置がそのまま本土祖語に受け継がれるので位置も弁別的です。 >本土祖語が、下り核の位置アクセントなの? は後の疑問に繋がるのでしょうか?本土祖語は上野善道と同様に2式(高起,低起)と2核(昇り核,下げ核)で解釈する。 日琉祖語も体系的には同じ。なので「エントロピー」は変わりません。(院政京都の「去-」始まりは別枠だが) >乙種中輪から京都寄りでは、3音節456類は、院政京都の古い下り目を死滅 6類も含めるのは何故?そもそも4類と6類には普通下がり目(下げ核?)を考えない。「語頭の滝」を指している? 6類で語頭の滝は消えた?内輪中輪で6類が1類に合流したことを差している?(京阪は無関係?)すると4類は? >どの方言も、「古い下り目」のかなりの部分を、必ずどこかでまとめてジェノサイドしています。 外輪・西南九州と内輪・中輪・京阪(讃岐はやや異なる)とでは質が違うからそれをまとめることにどういう意味があるのか見えません。 >鹿児島は別枠かもしれない 鹿児島だって2拍5類や3拍7類の下がり目は消えているのでは?厳密に言えば高起式の下がり目だって情報的には「消えて」いる。 >本土方言を含めた上流を探る場合、「下り目一元論」で処理するのは、多重に危険です。 >かぶせ音素の具体的マーカーは、今の段階で絞りこまないほうが安全と思います。 これも何を言いたいのかよく分かりません。スレでは話題になっていないと思うが早田説への疑問? 私は日琉祖語も2式(高起,低起)と2核(昇り核,下げ核)が弁別的だったとして特に問題があるとは思いませんが。 >>383 それはその通りなんだが,実際の方言を研究している者としては,*RL>LLが何とも想定しづらくて抵抗がある。 仮にあり得ても,*RH>LH,*RF>LFとはかなり質の異なる変化と思われる。 (私の*RF>LMf>LLの無茶と同レベルのように感じる) 説明の原理としては,3拍語で*RLLがなかったと見ればR>Lとまとめて扱えるかもしれない。 あるいは,7類の「後ろ」「畑」が文献でLLLだったりLHLだったりするのは*RLL>LHLとした方言と*RLL>LLLとした方言があったからかもしれないが。 >3拍名詞ではC系列になっていた低高〜の語が2拍ではB系列にとどまっている ここは重要ではないと私は思っています。むしろ3拍では琉球で*R->LHなのに2拍では*R-=R-を問題視されるかと思いましたが, ここにこそ拍数の質の違いを考える必要があると考えています。 ざっくり言えば2拍語ではRがきちんと実現できるが3拍語だと語が長すぎて1拍あたりの長さが短くなるため*R->LH-が生じた。 (早田輝洋「生成アクセント論」の平安京都における上昇式(2拍ではR-,3拍ではLH-)の扱いと同じ) >>385 なんか反応したいところだけど、RL→LLが受け入れられない理由がいまいち具体的でないんでなんとも言えねえ 言語化できない色々な理由がアルのかもしれないけど > むしろ3拍では琉球で*R->LHなのに2拍では*R-=R-を問題視されるかと思いましたが, 琉球の方は割と素直だからいいんじゃない?どっちかっていうと本土方言で2拍と3拍で動きが違うのがきになっちゃって。 というのも、373で示した日琉祖語からの変化を見ると、3拍名詞の場合、高起式と低起式の他にもう一つ第三の第1拍、 昇起式とでもいうべきアクセントの区別を保持しようとしてるように見えるんだよ 高起式 : 123類 低起式 : 45類 昇起式 : 67類 低起式と昇起式の区別をつけたいがために45類の上がり核を第2拍までずらしたように見える。 でも2拍名詞の場合、そこはあきらめて第1拍が昇でも低でも同じに合流させているっぽい 高起式 : 12類 低+昇起式 : 345類 これは3CがRLだと仮定してもしなくても同じ結論なんで、2拍名詞の場合は昇アクセントは完全に無視しちゃったのかな、と思った。 それほどまでに昇アクセントの発音負担が大きくて、できればやめたかったんだと思われる >>384 記述をミスったかな?と思いましたが、間違いはありません。 私の理解では、鎌倉期(来の)京都アクセントは、3音節は234567類全部有核です。契機で説明しても同じ。 この感じだと、たぶん何を言っているのか、全く理解不能だろうと思います。 たぬきの尻尾を見せてしまったかな?と思いましたが、 尻尾にすら、認識されていない模様ですね。 私自身、中世以来の、本土諸方言アクセントの通時・共時ダイナミズムに対して、 かなりエキセントリックな自説を持ってまして、ちらちらと出てきてしまうので、 脱線して大議論になってしまうかな?と思っていましたが、 一言一句、全ての記述に対して「はぁ?」というのが、 現時点での学問水準からの当然の理解なのかもしれません。 過度のアクセント論の展開、しかも13世紀以降の本土を中心とするネタは明らかにスレチですし、 このままだと私が第二のF氏になってしまうので、ここからは一度撤退します。 それでも、353の具体的立論自体には、特に意義ははさまないけれど、 未練がましいけど、390氏の祖語来とする整序法は、見ていてなんとも文字通り「歯痒い」… 最後っ屁をひると、院政京都アクセントは、方向観に基づく契機主義で記述できる代物なんだろうか? >>386 354でも書いた「基本的には金田一流に,上昇も下降も「遅れる」方向に変化する」という枠組みでは,ピッチの山は例えば以下のように移動していく。  ̄|__ →  ̄ ̄|_ → _| ̄|_ → _| ̄\ → __|\ → __| ̄ → ___ → … 途中の形は上昇と下降どちらが先に遅れるかで様々になり得るし,変化に遅速もあることで,方言差が生じることになる。 3CをRLとみると,この山は /|_ → __ といきなり潰れることはできず, /|_ → /\ → / ̄ → _| ̄ → _/ → __ あるいは下降がしぶとく残ったりして /|_ → /\ → _|\ → _/| → _/ → __ のように変化していく,そういう「縛り」を「金田一流」の変化では自らに課している。 しかしそれでは3Cが途中で他の型と合流してしまうためまずく,仕方なく合流させずに山を消失させるため380では /\ → /¬ → _¬ → _― → __ のような変則的な変化(/\の実現が苦しく山の後ろが崩れた)を考えた。しかし苦しい変化であることには変わりない。RLでも /|_ → _¬ → _― → __ こんな風に潰すことは可能だろう。いずれにせよ山が不規則に潰れたと見る点で「同レベル」と書いた。 これはあくまで私が従っている枠組みではそう説明せざるを得ない,そして現代諸方言の変化を見てもそういう制約は必要だと考えている,ということであって, そのような制約を課さない立場を取るならRL>LLとしても構わないと思います。 >>387 「理解不能だろう」ではなく説明すればいいのに(スレチと思っているなら仕方ないが)。 それに >現時点での学問水準からの当然の理解なのかもしれません。 この言い草は正直どうなのと思います。 まさか「現時点での」学問水準が「高すぎる」から自説が理解されないと言っているわけではあるまい。 (以下半分怒りにまかせて書く) 別に「目には目を」のつもりはないから,699 ◆nLORzldheoの説を論破しようだとか潰そうだとかそんな意図は私には無い。 あくまで私説に向けられた疑問にだけ返すというスタンスだから,現時点で(及び永久に)納得していなくとも特に議論がないなら何も押しつける気はないし,それで論破したなんだと勝ち誇るわけでもない。 >3音節は234567類全部有核 という立場ならそれで構わないし(マコーレー流の「核観」でも持っているのかと想像するが),それにしたって >後者は、「古い上げ核(か?)」が、せり上がりの末に、「新しい下り目」に化けています。 とあるが,「せり上がり」(用語はどうでもよい)は普通4類と5類に起こったもので,6類を含めた意図, あるいは7類を含めなかった意図の説明が欲しいと言っている。 そもそも,>>349 で「比較言語学の否定」と言われたからそうではないという反論,説明をしてきたし, >>374 ではまさに歴史言語学的疑問(より少ない弁別要素からより多くの弁別要素が生じることはない)が呈されたが, それは375が代わりに答えてくれて解決済みと見た。>>378 のように言っているから議論は一段落したかと思ったが, 今度は「自説」に基づいた反論(?)が>>382 で展開された。 しかし情報があまりにも断片的だから(私も人のことは言えない)疑問点を書いたのに,「学問水準」のせいにされてしまった。 決め付けるのは良くないが,「エキセントリックな自説」とは http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/10958/1282825828/ の234=235=239=240=241=242=243=245=250=251=255=257=258(飛んで368,379,385,386,399,400)一連の論を言うのだろう(半日かけてスレ含み読み直した)。 (次に続く) 本人も認めるように,この説(琉球もだが今は本土アクセントの方)は「比較言語学的」視点に基づいていない。 中輪という非常に広大な領域,話者を占めるアクセント体系に対して,通説のように自律的変化(歴史言語学の領域)で説明可能なものを, わざわざ京阪と外輪の言語接触(言語地理学の領域)によって説明しようというロマンあふれる説だ。 これに対する反論は完全にスレチなので差し控える。 「比較言語学的」視点に立たない反論をぶつけられても,ベクトルが違うのだからそもそも議論できない。 そもそも私は自説が「正しい」かどうかにこだわっていない。 「比較言語学的に考えればこうなるのではないか」と言っているだけで,「史実」としてどうだったかについては,極言すれば関心はない。 勿論,「真理」に迫りたい探究心はあるから,それに貢献できるように「比較言語学」の立場から議論を構築したいと思っている。 また,議論する上では,祖語も言語である以上実態のあるものとして捉え,言語としてあり得ない再建(過程も含め)はしない。 これに対して699 ◆nLORzldheoが>>387 で「歯痒い」と感じるのは,「比較言語学」としては正しくなくとも自説が「史実」として正しいという「信念」があるからだろう。 そしてもしかしたらそれは本当に「史実」かもしれない。しかしそれは歴史言語学では証明不可能だ(と思われる)。だから「未練」があるのだろう。 これはあくまで私が文章から抱いた感想だから,もしそうでないなら「撤退」するより議論として意味ある反論をした方がはるかに良い(それが今すぐでないとしても)。 >院政京都アクセントは、方向観に基づく契機主義で記述できる代物なんだろうか という「最後っ屁をひる」くらいなら,契機(私は契機でなく核だが)で記述できない例を示すべきだ。 ちょうど今ノグリー(狸)が日本列島で猛威をふるっているが,この「タノケ」さんは化(ば)け学の修業が足りなすぎる。 (屁をひって去るなら実は鼬なのかもしれん。) 逆鱗にふれてしまいましたかね。どのような経緯であれ、スレを荒れさせるのは大変に申し訳ない。 怒りのレスについて、だいたい人定部分は当たっていて、 そういうところだけは、しっぽの探索は上手なんだなあと思いますけど。 私はかつて、そのアクセント地理論を書いたことがありますが、 今は、言語地理学的部分には、必ずしも固執していないし、 387で書いた「学問水準」とは論理的に独立です。 387で嘆いたのは、全然別のところ。ダイナミズムとは、その話じゃないんですわ。 ちょっとだけ書きましょうか。 上野は、甲種高起類を”[◯…”と記します。私の考えでは、これが致命的誤りで、 これが問題視されないうちは、私の思うダイナミズムは「はあ?」という問題だろうと思われる。 正しくは、高起類は”◯…”であり、低起類が、”]◯…”であると私は理解しています。 これだけで、質問にはお答えしたことになります。よろしいでしょうか。6類には契機があるのです。 この問題、核概念を使って、さらに話を進めることができるように思うのです(ここがエキセントリック説の本丸) 鎌倉以来の本土アクセントの本質は、どうやら「上げ核」なのではないか。 当時の考えの発展といえるのは、この部分です。 だから、乙種外輪も甲種も、23類も456類も1つの闇鍋に放り込んだのです。 ただし、「踏み込む(音程が下がる)だけで、すっぽぬける(上がらない)上げ核」という、変なしろものがあるらしい。 逆に言えば、スッポ抜けるようになっても、核は潜在的に残り続ける。 これが京都の史料に残るせり上がり現象の顛末と、本土アクセントの分裂の大本ではないかということです。 そうすると、上野が頭を抱えていた、「今の甲種にすら、12/3/45という隠れ型別がある?」という問題に、 何らかの示唆が与えられるんじゃないか?というのが、私のたぬきの尻尾の意味です。 本質部分は語ってしまったので、これ以上振っても叩いても何も出てきませんが、若干付け加えです。 おそらく、本土アクセントで方向観が確立したのは、(京都時間で)鎌倉期だろうと思われます。 それより前には、方向観は存在せず、単に一定の禁則を持つ声調と、真正の語頭高低の式の2つだった。 方向観と契機で構成される体系であることと、凹の禁則は、論理的には同値ですが、 機能的には別概念なのでしょう。 方向観の確立と同時に、「無標(契機なし)類」という概念が生まれた。 基本的に、甲種乙種讃岐鹿児島、これらのアクセント型の分裂は、 「無標枠の争奪戦(椅子取りゲーム)の具体的戦績の差」という面が大きい。 椅子取りゲームに負けると、敗戦処理として、勝者に合流するか、敗者として有標になるかの二択というのが、 論理的に自然な形です。 基本的に、これで全部説明ができてしまう。 上野のように、音声的癖を持ち込む必要性を、私は感じないのです。 反応していただけてありがたいです(何か棘があるがまあ仕方ない)。 あまりこの話ばかりしていると荒らしになってしまうと思うのでざっと感想を。 >>392 現代京阪の高起式が無標で低起式が有標という話だとしたら,服部四郎も金田一春彦も上野善道も主張していたことだから, それと何が違うのか今の私には分かりません。 それを上げ核と呼ぶかは別として,3拍に7種類の区別を付けるには「上げ核」が2つ付くものが出てくるのでは? それは金田一の「語頭の滝」とはどう違うんでしょうか。 >>393 体系の説明はしたらばの152で書いているものと同じだと思いますが,「無標(契機なし)類」の確立が鎌倉期としてしまうと, 動詞からの転成名詞が取る型でもあり,桜井茂治その他が調べてきたように,高起でも低起でも(4拍までは)名詞では「無核」 H,HH,HHH,HHHH,L,LL,LLL,LLLLが多数派なのは何故でしょう。 私は少なくとも院政期京都(さらに遡って日琉祖語)で既にこの型(の祖形)が「無標」だったからだと思いますが。 以上は感想なので別に付き合ってくださらなくてもいいです。 まだ御説を理解できていないところがあるのかもしれませんし。 流れをぶった切って悪いが、AN語と源日本語が出会ったのっていつ頃なんだろうなあ。 AN語が稲作の拡散と関係すると思うけど、成立が古いらしい。 数千年も経ってから日本語は出会ったのか?ほんとにそうなのかなあ。 オーストロアジア語も気になるが、どんな言葉かあまりわからん。 人口が巨大で古代文明の発祥のもとだからか、中国語がすごい広がってるけど、 アジア地域では中国語だけが妙に浮いてる。 まあ、他の文化の影響をうける前の言語がどういうものだったかって、 はっきり分からんのだからどうしようもないけどね。 つーか、5万年前はアフリカ以外は同じ言葉だったとか言い出すと、おしまいだけどさ。 >>389 ああ、なるほど。俺の方も図示してみるとすると・・・ 語頭昇を[○、語尾降を○]と表記するとして・・・(アクセント研究史の通例と合ってるか知らん) 2.4C [○○ → ○[○ 2.5C [○○] → ○[○] と昇核が1拍後ろにずれるだけだから他と同じ原理で説明できるけど 2.3C [○]○ → ○[]○ ??? この形がぜんぜん想定できないから、困るってことか 金田一流の例外をどこまで認める?っていう話になるな。他にも昇核と降核がぶつかって○[]○→○○に中和した例があれば補強になるかも、と。 >>390 一連のレスはやっぱり699 ◆nLORzldheoさんであってたんか。したらばの方見ると結構な大作書いてたんだね。 骨子は琉球〜西南九州も含めて、日本語アクセントは例外なく院政期の京阪式から派生したっていう流れか。 これじゃ前スレで俺が「琉球ABC系列から西南九州二式が出てきたんじゃない?」なんて半端な折衷案提案しても無視されるわ。 今のところアクセントは知識が足りないんで、しばらくしたらばの方見て勉強します 俺は俺で今までどおり、 「本土日本語と琉球諸語は文献時代以前に分かれ、比較言語学的手法を使って祖語が構築できる。音素もアクセントも再構可能」 っていうスタンスで調べてみるわ。どうしても説明不可になったら乗り換える。(前スレでも何度も自説曲げてたし) アクセント論は一旦落ち着いたかな・・・ >>395 水田稲作あたりだからだいたい2000年前くらい? AN語が稲作と関連してるのは間違いないと思うんだけど いくつかの対応語彙は基本的に借用であって、 今の直感ではどうも直接の祖先とは思えない。 以前は上代日本語から一気にAN語との関連を調べてみようとしてたけど 今はまず日琉(+八丈)祖語を構築してから比較することにしたいわー マレー・ポリネシア祖語で2000年前くらいの再構形の語彙集があったら、 そいつと日琉祖語の語彙集を比べてみたいっすね。 今話題になってた高低アクセントの成り立ちの痕跡も見つかるかもしれん。 さて、音素の話にもどってみるか。 >>368 >日琉祖語の段階でそのような同化が起きたと見た方が素直ですね。 この流れが動かせないと仮定すると、 ・本土日本語と琉球諸語の分離直前段階では*eが残っていた ・それと同時期に有坂第一・第二法則のような同化現象が起こっていた ということなので、有坂の法則を6母音体系に当てはめる必要が出てきた。 ・i : 中性母音 ・ə : 陰性母音 ・aou : 陽性母音 ・e : <俺どこー? 蒜 *peruから見ると、陽性母音か中性母音に見えるんだけどこれ一例だけじゃ何にもならんな・・・ あれ、前スレ932見て思ったけど 影 : 2.5C (日流祖語再構形 [kaga-i] ) 鏡 : 3.4B (日流祖語再構形 ]kagami ) 第一拍が影=昇、鏡=低 で違うぞ。。。 >>347 で教えてもらった琉球語DBで首里方言を確認しても 影 : kaagaa(0) 翳 : kaagi(0) 鏡 : kagaN(0) で、影も翳も長母音=C系列だと思われる 本当に鏡はkaga + miなのか・・・? >>399 影/鏡のどちらかが元の母音を失ったと考えるべきだと思うぞ。 たとえば本土語の影響でかーがみがかがみに変わったとかな。 >>398 トマ再建案に従うなら*erə「色」,*negə「濁る」から*eが中性母音相当と言えそうだが, 琉球祖語で*eとしても日琉祖語では*əirə「色」,*nəigə「濁る」の可能性が残るため断言できない。 >362で挙げた語のいくつかは*eが*aに隣接する環境で保たれた可能性があるから, *e→e1/a_,_a *e→i1/elsewhere であれば,*CeCa- vs. *CiCə- のような交替が無いか(あれば*eが再建できて中性母音という証拠になる) と思ったがどうもそれらしい例は見当たらない。 一方で,*eが陽性母音だとすると,有坂法則が母音調和であっても同化規則であっても, *a, *o, *uとどのような素性を共有する自然類(natural class)を為すのか見えない (円唇性や奥舌などの共通点がない)ので,陽性母音と共起することを持って却って中性母音とひとまず見るのが穏当と思われる。 >>399 日琉祖語にあったのは「出だしの高さが一致する」という法則であって,平安朝の「金田一法則」にそのまま引き継がれることになる。 (「金田一法則」についてはhttp://db3.ninjal.ac.jp/SJL/view.php?h_id=0930740800 ) 「昇」も「低」も「低く始まる」点で共通しているので問題ない(私は「鏡」は「影+見」と見る)。 服部四郎のような長母音説では*kaagai, *kaagamiと再建するはずで,VV > V[high]とすると*kaagami > kagami (HXX or RXX)となって それこそ「鏡」がC系列(やD系列)になることが予測されてしまう(なので長母音説は正しくないと考える)。 ※「金田一法則」には例外も指摘されている。(http://ci.nii.ac.jp/naid/120000981565 ) ※「祖語」にあったと見る以上琉球語にも引き継がれているはずだがなお検討の余地がある。 >>402 引用の書き方が正しくないという指摘でしょうか。 このスレが初めての書き込みだったもので間違ってしまい申し訳ありません。 影 *kaga-iの方は複合語の可能性が高いんで、「i」が低く終わる音であったことを仮定すると 低い音が連結したことを示すためにgeが降アクセントを持った、とも説明できるんだけど・・・ そうすると本来のアクセントは ]kaga ]i となる。 これで]kagamiとなんとなく一致するんで、本土日本語のアクセントは解決するんだけど 琉球側がちょっとおかしいな。 金田一の法則は本土日本語にしか適用されないんだったら 日琉分離後に本土ではkage(低降) kagami(低低低) になってるから、第一拍はどちらも低で問題なく一致してる。 ただ、そんな乱暴なことでいいのか・・・今度は俺が「歯がゆい」のセリフを繰り出したくなる まだkagamiの語だけ後の時代に本土から輸入されました、っていう話のほうが納得いくわ そうだ、低い音が連結したことを示すために最後が降アクセントになったんじゃないかって語の候補を2.5類から上げると 雨、声 被覆系が見当たらないけど他にeで終わる語として汗、常、鍋、前、桶なんかがあるな。 wikipediaやら前スレ932を見てみると2.5類にe終わりの音が多いんで、 露出形の-iは低音を持っていたんじゃないかと勘ぐるんだけど 2.1類の飴、風、金、口、酒 2.3類の神、月 あたりがこの推論の邪魔をするな・・・ >>404 整合性が取れない例を歯がゆく感じるのは当然と言える。問題は歯がゆく感じたその先にある。 「「i」が低く終わる音であったことを仮定」するとして,その仮説に合わない場合に日琉祖語形を改変すべきか,それとも仮説を棄却するか。 「本土から輸入」と見るのは悪くないが,「いつ」「どこの方言の」「どのような音形,アクセント型が」琉球語に「どのような形で」借用されたか論じる必要がある。 (「いつ」「どこの方言」は相対的で,重要なのは「体系」のつじつまが合うか。) 単に自説に合わないから「借用」で片付けようとするのでは何も説明したことにならない(繰り返すが借用だろうという見通しを立てること自体は悪くない)。 ただし「第一拍はどちらも低で問題なく一致」というのは,金田一春彦があれだけ「平」と「去」は「低起」で一致すると説いた金田一法則=式保存則の本質を 理解していない素朴な調素観に立っているように映る(昇-と低-だったら「問題がある一致」なのだろうか?)。 -iは様々な由来が考えられるため統一的なアクセントの説明が可能とは期待できないのではないか。 上代以前の日琉祖語のある時点で共時的に「被覆形」と「露出形」の交替が確立したのは確かだろうが, その成立には「被覆形」→「露出形」もあれば「露出形」→「被覆形」(さらに「露出形」←X→「被覆形」)もあるだろう。 私は「影」*kagai(RL)の方が成立が古く,そこから被覆形*kaga-が作られたと考える。被覆形は「無標」ゆえ低起式のみを残す*kaga-(LL)となった。 これに*mi「見」が付いた形は*miが昇り核を持つか否かでkaga-mi(LL-L,LL-H)となるが,いずれにせよB系列となりそのまま琉球祖語形(および本土祖形)になる。 ちなみに「金田一の法則は本土日本語にしか適用されない」かは,琉球語では複合語アクセントの研究自体がそれほど進んでいないため不明ということで「検討の余地がある」と書いた。 語音とアクセントの関係についてはいくつか先行研究あり。最近では佐藤栄作「第一次アクセントの成立と語音」(http://www.f.waseda.jp/uenok/ronshu/ronshu_03_sato.pdf )などがある (私はうまく行っていると思えず賛同しないが興味深くはある)。 390 ◆oflnzmdu96氏が>405で挙げた語例も含め検討しているので興味があれば一読されたし(すでにご存じかもしれないが)。 >>406 横からで申し訳ないけれど。 >私は「影」*kagai(RL)の方が成立が古く,そこから被覆形*kaga-が作られたと考える。 この論理展開が、私にはとても気になるところです。問題は2つ+αあります。 概念を演繹的に考えた際に、被覆形と露出形の親子関係は、「被覆が親/露出が子」一択なのではないだろうか。 被覆形というのは、広い意味での語根の現れであって、 裸で出てこられない語根が、1単語として衣服を身にまとって「表に出た」形が露出形となる。 逆向きは、成立しないとは言い切れないけど、これは特殊な例外にあたるのではなかろうか。 そして、仮に逆向きの造語(露出形から被覆形が導かれた)が起きたとして、 その際、膠着成分の出入りとして、現実の語形の上で起きることは、 「何かの成分が『付加される』」ことであって、「何かの成分が『消去される』」ことを考えるのは、 とても奇異なことであると言えないだろうか。 仮に、-iを分離できない(または別の意味を含む)*kagaiが先にあったとして、 *kagaiのiを削除して、被覆形の*kagaが出来たでござる、というのは、 かなり特殊な、言語学的コンタミネーションの状況を想定しないと難しいように思う。 そして、このコンタミネーションが起きるということは、 -iについて「露出形を示す語尾である」ということが確固たる概念として成立していなければならない。 だとすると、406同段落冒頭の、「様々な由来が考えられる」と矛盾する。 これは通時で話が違ったんだよ、と逃げることは可能だろうけど、難しい立論だろうと思う。 そして付け足しとして、既出だけど、この問題を考える際に、LL…Lという低平アクセントは、 論理的に無標ではなく「有標」だろうと思う。これは全体集合をどうとるか?という問題だけど、 たとえば、用言のデフォが低平である、というのは、 形容詞アクセントという論理的集合の中では無標だけど(つまり、HH…の一部形容詞は有標) 品詞全体という論理的集合からすれば有標。 この意味で、LL…は名詞アクセントとしては、転成名詞のマークなどと同様に有標になるので、 (転成名詞がLL…になるのは、これは名詞アクセントとしてはマークがついているからのはず) *kagaiが先にあって、被覆形を事後的に造語する場合に、 その文法的意味を示す意味でLL…に潰したのだ、という説明は魅力的だけど、 だとしたら、-iを消す必要は、正しく「蛇足」になってしまってしまい 正直存在しない…(米国民謡「バケツの穴」型の論理矛盾) >>400 そうだねそれが一番穏当な落とし所かもね 蛇とか百合とか、レアケースなアクセントは逆に西南九州から本土に入ってきた、とか。 >>406 佐藤栄作「第一次アクセントの成立と語音」 おお、またいいものを教えてもらった。 俺の立論の補強になるデータが多かった印象がある a)2.5アクセント(低降)の2拍目には新しい母音(e1、e2、i2)が多い b)o1はこれらの分布に従わず、新しい母音とは思えない ただし想定外のデータも多いな・・・ c)2.1(高高)や2.3(低低)アクセントの2拍目にも新しい母音が多い d)2.5アクセントには動物名が多い c)についてはうまい体系を考えられない。高高・低低・低降に共通する要素って何だ?? >383の表の[0降](想定形 ○○])が2.1に合流したと考えれば-i低い仮説の想定に合わなくもないんだけどなー あとd)って日本語だけの特徴じゃねえの・・・なんでこんなことが起こるんだ。 あり得るプロセスを考えると、元々動物名に少し2.5が多かったので、他の動物名もそれに引っ張られてアクセントが変わっていった (上で書いた蛇なんかは実際2.5に変わってしまったそうな) これから想定できるのは、名詞アクセントは他との類推で所属アクセントを変える可能性があるってことで、 アクセントは通時的にはあんまり信用出来ないっていう嬉しくない結論なんだが・・・ 追記として > 昇-と低-だったら「問題がある一致」なのだろうか > 被覆形は「無標」ゆえ低起式のみを残す ここらへんは途中でロジックの説明を諦めてるように見えるぞ。んまあ借用説も説明諦めてるんで人のことは言えないが >>407-408 言い回しが見慣れないから正確に理解出来てるか自信ないんだけど、 露出形→被覆形のマーカーは kagai→kaga の二重母音消滅か、 [ka]gai → ]kagai のアクセント変更かのどれかでいいって話? それはそうかもしれないけど、複合語を示すマーカーが重複しちゃう例って結構あるんじゃないっけ (酒坏 : sake→saka の露出・被覆交替と tuki→duki の連濁) これがsakedukiかsakatukiのどっちかでいいじゃんって言われると 微妙・・・ 指摘の本質は「被覆形は無標って処理していいのか?」って話だったら 的外れな指摘かもしれない。 399です。 佐藤説はなあ… 「2拍45類は、二次的なものではないか?」というのは、徳川説以来の問題意識で、 古いところではラムゼー説をはじめ、いろんな人がいろんな説を出してるけど、 どれもこれも興味深いが、筋の良さそうな説は、正直全く見当たらないんだよね。 406氏も「賛同はしない」といってるけど、そういうところだと思う。 > 399です え?誰?! 2.5類は2拍で唯一1拍で降アクセントを持つんで、昔から怪しまれていたんだねー。 でも4類までなんか疑いの目を持たれてたの?途中で昇るアクセントは不思議だと思われたんだろうか・・・ 先の佐藤説も、4類は二次的なものではなく、本来的なアクセントだそうだ。 そしてアクセントについてグダグダ寄り道してたら、いつの間にかe1e2i2と2拍アクセントの分類という スレタイどおりの話題に戻っていくという壮大なストーリーラインに少し感動した >>412 すまない、699だった。デバイスが違うので、コテは暫しつけられないw 祖アクセントは、(6以下を除き)1/2/3/4/5ではなく1/2/3/45なんじゃないの?という仮説は、 方言地理学的に全国アクセントを完全整理した際の徳川説が、かなり強く示唆していて、 これが、議論のはじまりと言えるだろうと思う。 その後、ラムゼーが、乙種が1拍後ずれではなく、甲種が1拍前ずれしたんじゃね?という説を出した。 そのあとは暫く下火になる。山口みたいなネタ説も含め、面白いが良いものはない。 と思っていたが、佐藤説か… 4と5は、本来は区別が無かったんじゃね?という発想は、方言地理学的にどうしても燻る。 淡路島くらいを中心にして、一定の範囲にしか存在しないから。 あれだけの京都アクセントの資料があってもなお、どうしても燻る。 まあ、私の乙種外輪の成立仮説は、ラムゼーの発想からもかなり影響を受けているんですけどね。 基本的に、登り核と理解すれば「甲種が2拍前ずれ/乙種外輪は1拍前ずれ」という発想だから。 (ただし、現時点での私は母体登り核と理解していない。また脱線しそうなのでこのへんでやめます) ・45類が分裂によってできたとして、分裂の条件は何か? 音韻的な条件は特にないように見える。 ・各類の語数の点で不自然はないか? 古い45類が4類5類に分かれる形で半分に割れたのなら、 4類に属する語の数+5類に属する語の数≒1類(2,3)類の数が成り立つようにしないと、 古い45類だけ倍の語数を持っていたという若干不自然なこともなりたちうる。 この二つで抑えこめるんじゃない? >>406 のpdfのデータから色々言えそう [分裂の条件について] 俺自信は分裂したとは思わないんだけど(っていうか統合したとすら思ってるんだけど) 第二拍では4類はe1が、5類はaが目に見えて少ないんで、 ]CV[Cia → ]CV[Ci]a ]CV[Ca → ]CV[Ca と別れたのかもしれない。 i2はどちらにも少なく、uはどちらにも多いのでなんとも言えねえ [語数について] 1 = 199 ≒ 200 2 = 98 ≒ 100 3 = 202 ≒ 200 4 = 102 ≒ 100 5 = 37 ≒ 35 むしろ2類と4類が分裂したんじゃね?って勢い あと、-iが低いと予想してた割にi2が5類に一個もなくて残念。むしろ3類にモリモリある。5類に有意に多いのはe1、e2みたいだ・・・ それにしてもこのデータでなんで4類と5類が分裂したっていう結論になるのかいまいちよくわからんなあ。 1拍目の音の分類を見ると、どの音もほぼ2:1:2:1:0.3くらいの割合になっていて、だいたいランダムなんだけど (唯一、o1だけはHHに偏って配置されている。語頭o1→uの変化を妨げた何かがあるのかな・・・?) 2拍目には明らかに傾向に差があるので、日本語の声調は最終拍の音で発生したという結論に持って行きたいのかな。 しかし俺はあくまで383の表から統合の末平安期のアクセントになったという仮説で進めたい。 2拍目で明らかに目につくのは、上に書いたe1とaの相補関係に加えて ・高高はe1が少なくe2が多い ・高低はe1が多くe2が少ない ・低低は平均的 ・低高はe1e2ともに少ない ・低降はe1e2ともに多い このくらいかな。もしかして、383の表(日琉祖語)で高降だった音は無条件に高高か高低に所属したわけではなく、 狭母音終わり→高高 広母音終わり→高低 と遷移したんじゃないだろうか。2拍目aの所属アクセントに高低が微妙に多いのもその現れな気がする >>409 佐藤栄作と藤井游惟は大学の同級生で親友だってこと知ってる? 藤井の本の最後に書いてある。 2拍名詞のアクセントの頻度を元に、音韻史を再度眺め直してみるかな 1. 本土日本語と琉球諸語の分離前の時期には、母音融合は行われていなかった アクセントも383の表のとおり、語頭のみ昇、語尾のみ降がある9つの型を持ったアクセント体系 2. 分離後、本土日本語からeが消えた(どの音に融合したかは不問、おそらくi) 3. eが消えたため本土ではəi、oi、uiが全部i2に合流 4. 新たにe1、e2発生。この母音は他の母音に比べて音が少し長かった可能性あり。 古い時代に発生したi2にはこの特徴がない 5. アクセント型の整理始まる。2拍名詞は5体系に 降アクセントは一拍目が低く、二拍目がe1e2など長い母音に支えられていない場合 高低どちらかに吸収された。たぶんa・o2・o1は低、u・i1・i2は高 んまあ2拍目e1e2以外にも低降、つまり2.5類に所属している語彙がいっぱいあるんで完全な理論じゃないのは認める 特にuで終わる音が結構多いんだよね2.5類。これは動詞の終止形にも同じことが言えるので 名詞・動詞をまたがった言語現象かもしれん。 後、琉球諸語との分離前には残存していた昇アクセントがどの時代に消えたかは 今の比較ではわからん・・・2.〜5.のどの時代に消えても、論旨には影響しなさそうなんだよね。 ・・・なんか、具体的な単語表とくらべてみないと、いまいちフワっとした議論にしかならんね Web上に参考になるDBであればいいのに >>417 へーそうなんだ。意外というか、興味がある分野が同じなら話もあうから意外でもないよな ちなみに399から始まる影-鏡の整合性問題は kagaがaで終わるため、降アクセントが低アクセントに統合してしまった kagaiはe2で終わるため、降アクセントが維持できた 昇アクセントは何かの拍子に脱落した で解決する。 >>343 ひょんなことから休暇もらえたから自転車で図書館いって時代別国語大辞典見に行って調べてみた。 俺の説の反例になる「2音節以上の語頭のオ甲」がいくつあるか数えてみた。 有声音かどうかは気にしてない。そもそも語頭に有声音が立つのはオノモヨヲの5つのうえに甲乙区別つくのはノモヨ(モは古事記のみ)だけだし 集めるといくつかのカテゴリにわかれることがわかった a) 動詞・形容詞に属するもの 16語 焦:コ1ガル 扱:コ1ク 恋:コ1フ 媚:コ1ブ 細:コ1マヤカ 噪:ソ1ソ1ク(ざわざわする) ソ1バフ(甘えふざける) 隆:ソ1ル 着:ト1ク 磨:ト1グ 利:ト1シ 唱:ト1ナフ 問:ト1フ 燃:モ1ユ 呼:ヨ1ブ 弱:ヨ1ワシ b) 動物の名前に属するもの 6語 鯉:コ1ヒ 駒:コ1マ コ1モ(ホンダワラ?) ソ1ニ(カワセミ) 虎:ト1ラ 百舌:モ1ズ c) 同音を繰り返すもの。4語 畳語だったりオノマトペだったりするかと ソソクは重複 コ1コ1(猿の声) コ1ゴ1(すり合わせる音) 噪:ソ1ソ1ク(ざわざわする) 百:モ1モ1 d) 上記に属さない、本当の例外 7語 コ1クミ1(なんか病気の一種?) コ1ナミ1(本妻) コ1マ(肥沃な場所) ソ1マ(植林して切り出す山) 空:ソ1ラ 刀自:ト1ジ 隣:ト1ナリ コクミ・コナミなんかは複合語かもしれないし、トナリは元動詞なのかもしれないけど コマ(肥沃) ソマ(植林して切り出す山) 空 刀自 あたりは何も説明できないな! んで、なんで動詞や形容詞が例外になるのか、とかんがえてみたんだけど 特に2拍の四段動詞は実は1音節語扱いなんじゃないか?という仮説を思いついた 扱 : コク = ko1k 恋 : コフ = ko1p 利 : ト-シ = to1 -ci ←形容詞の活用語尾も分離してよさそう 四段動詞の活用語尾が子音終わりの音だと考えれば、1音節語のオ甲は高舌化しなかったという仮説で処理できそう あとフで終わる語は -ap が付いている付属語で実は1音節かもしれない ソバフ = so1b -ap トナフ = to1n -ap これで処理できないのは 焦 : ko1gar 媚 : ko1bV[+back]i- 細 : ko1ma 弱 : yo1wa -ci 燃 : mo1yai- の5つ 胡久美<コ(子)+クミ(組)? 本妻<コ(子)+ナ(の)+ミ(女?産?) 肥沃<コ(不明)+マ(間)? または単に土の粒が細かい意か 杣<ソ(高所を表す語根?)+マ(間) 空<ソ(同上)+ラ(場所を表す接尾辞) cf.古語や方言で屋根、天井裏、梢、川の上流など高い所を指す 刀自<ト(戸)+ヌシ(主) 隣<ト(戸)+ナリ(形、「道なりに」のナリと同じ) 媚<コ(子)+ブ(動詞化接尾辞) ちょっとわからないのもあるが、下三つは複合語でしょ 恋 : ko1pi2(上二段) は二音節では?形容詞ko1po-ciもある > 恋 : ko1pi2(上二段) は二音節では? おお、そうか。そういわれると 焦 : kogarai- (下二段) もまちがえてるかも あと、百舌はカラス、カケス、ウグイスみたいに-スがついた複合語かもしれんね。 百mo1mo1-cu →*momcu→mozu 完全にスレ止めた・・・本当に申し訳ない。 目先変えて上代特殊仮名遣いがなぜ消滅したかを語ってみるか オの甲乙は有坂の法則により分布が排他的だったから合流しても比較的不都合がなかったんだろうと思う けどイやエはなんであんな合流の仕方をしたんだろう? 前スレで、近畿と中部では異なる合流の仕方をしているから 近畿の合流の仕方が全国に広まったのは単なる偶然だろう、と推測したんだけど では近畿はなぜeとəiが合流したのか。 講演会のお知らせ 主催:歴史研究会「創世」 テーマ:白村江敗戦と上代特殊仮名遣い 後援者:藤井游惟 日時:10月26日(日)午後2〜5時 会場:埼玉市民会館うらわ(JR京浜東北線「浦和駅」西口より徒歩7分) http://www.saitama-culture.jp/urawa/ 資料代:500円 今回は、たっぷり3時間かけて、 私自らが編集したビデオを操作し、また7年前の出版以後に新たに得られた知見を加えて、 どなたにでもわかるようにご説明いたしますので、お誘い合わせの上是非お越しください。 質疑応答の時間もたっぷりあります。 拙論が「トンデモ」だとおっしゃっている方の意見も直接承りますので、 是非ご来会ください。 http://music.geocities.jp/konatarosu/Hakusonkou/Index.html トンデモ本なんてものは面白くなければ何の価値もない 近頃はつまらんトンデモ本ばかり アホクサ 久々に来たけど、ペラール説の議論が進んでるね こういう言い方をするのはなんだけど、>>61 的なロードマップからするとペラール説は実に厄介だなあ かなり疑わしくはあるんだが、完全に否定できるような論理もなかなか思いつけない 村山説の懐疑派の気持ちがちょっと分かったw o1が日琉祖語にあるのはともかく、e1があったというのがどうしても信じ難い 日本語単独の内的再構からすると、どう考えてもe1は卑弥呼の時代には無かったかなり新しい母音のはずだし e1の存在さえ葬れれば何の問題もなく俺が考えるロードマップに日琉祖語の分岐年代を組み込めるが、e1があることを認めると分岐年代を6世紀から7世紀頃に断定しなきゃいけなくなる それだと森博達によれば記紀万葉のアクセントは平安アクセントとほとんど変わらないらしいから、ペラール式アクセントの説明が困難になる あと、何故かペラールが再構した日琉祖語=日本語の最古形みたいな雰囲気になってるけど、あくまで日本語と琉球諸語が分岐した時点での日本語の母音・アクセント体系でしかないよね ペラール説が正しいとするなら、>>398 の言ってるようにペラール式琉球祖語(≠日琉祖語)に有坂法則の6母音版のようなものが発見できなければおかしい さすがにそれが出てきたらペラール説が正しいと認めざるを得ないけども それと、前にも話題に出してスルーされたけど村山八郎と山口佳紀が別々に「上代以前の日本語にはu2があった」って説を立ててる 山口はua,uo2→u2という母音融合を主張してるけど、これってu2というよりどう見てもo1だよね この人がこの音韻をo1ではなくu2としてる理由は後にu1に合流して消えたからだとするからなんだけども、この辺りはペラール説の根拠にはなりそう >>425 i1とi2、o1とo2の関係と違って、e1とe2の場合現代語のeはe1とは違う音 だから記紀万葉の時点ではまだ二重母音だったe2が母音融合を起こして現代語と同じeになって、それにe1が吸い込まれたんじゃないの? ごめん>>432 の下2行は忘れて とんでもなく的外れなことを書いてしまった このスレでも散々暴れてた藤井説に唯一評価すべき点があるとすれば、高句麗語は実は百済語であり百済語=新羅語だとしてる点だと思う 百済語=新羅語という説は韓国人の電波説扱いされることが多いけど、ここでよく名前の出るロゼッタストーンの人も全く同じことを主張してるよね 高句麗語とAN語の比較のページで、具体的な高句麗語(とされる百済語)と新羅語の比較をやってるけど ここではスレチだが、百済語と新羅語が同系だというのは単なる電波説で検討せず片付けていい説じゃないと思う >>110 >>140 半年も待たせてごめん まだ考えを纏めてるからもうちょっと待って AN祖語の再構は一部の子音の発音と一部の単語のアクセント以外はかなり固まってるから、日本語から祖語の再構にアクセスするのは難しい 可能性があるとすれば、まだ未定のアクセントを日本語から導くことだろうから、その方向で検討してみてる ペラールが再構した9種の日琉祖語アクセントからAN祖語のアクセントが導けたら面白いんだが > あと、何故かペラールが再構した日琉祖語=日本語の最古形みたいな雰囲気になってるけど、あくまで日本語と琉球諸語が分岐した時点での日本語の母音・アクセント体系でしかないよね ペラールの再構形はあくまで比較言語学の手法を使って遡れる最古の形ってだけだから そこから先にも当然古い形はあるでしょう >>61 のロードマップにしたって>>79 みたいに言語Xを繰り出せばペラール組み込めるかもよ? ここはちょっと大胆にやってみるか まずは縄文時代後期、寒冷化で従来の文化が維持できなくなってきた2500年前あたり 縄文文化は最終的に4つの文化圏に分かれており、言語も4つにわかれていた ・言語X1 : 千島列島〜北海道石狩以東 ・言語X2 : 北海道西南部〜東北〜関東甲信越の広大な東国地域 ・言語X3 : 中部・近畿・中国四国・九州北部、いわゆる「照葉樹林文化」 ・言語X4 : 九州南部〜琉球諸島 そこに日本語のベースとなるAN語族の言語Zの担い手が現れた。 言語Zに接触したXは、Zを継承しながらも基層言語として、 さながらフランス語におけるガリア語のように後の日本語に影響した ・言語X1 : Zとは接触せず、のちにオホーツク民族(ツングース系)と混ざりアイヌ語を形成 ・言語X2 : 上代東国方言を形成、八丈島方言へ ・言語X3 : 本土日本語を形成 ・言語X4 : 琉球諸語を形成 ペラールが再構した6母音は、言語Z+X4の接触結果を表し、 >>61 で構築した*eのない5母音は言語Z+X3の接触結果を表すというのはどうだろう アクセントについては、最初の言語Zは少ない母音を補うように、凹がない以外のルールはなく 上り下りが任意の位置に現れる、かなり豊かなアクセントを持っていた。これが 言語X2では元々アクセントを持っていないため消滅 言語X3では下りアクセント核のみ弁別 言語X4では昇りアクセント核のみ弁別 というように基層言語によって分裂していった こう考えると、アルタイ語が想定される言語Yは日琉祖語前史には不要だな > このスレでも散々暴れてた藤井説に唯一評価すべき点があるとすれば、高句麗語は実は百済語であり百済語=新羅語だとしてる点だと思う こういう意見もあることを考えると ・ツングース系満州語とのつながりが想起される高句麗語は実は日本語とは関係ない ・朝鮮語は時代を遡ると母音調和が薄れ5母音になっていくなど、アルタイ的特徴が少なくなる ・日本語は高句麗語ではなくアルタイ的特徴が薄い古代朝鮮語との共通語彙が多い っていうことから、アルタイ語とは他人の空似なんじゃないかと思えてきた >>432 :::::::: ┌───────────────-┐ :::::::: | 村山七郎がやられたようだな… │ ::::: ┌───└───────────v───┬┘ ::::: |フフフ…村山八郎は我ら四天王の中でも最弱 | ┌──└────────v──┬───────┘ |村山九郎にやられるとは | | 四天王の面汚しよwww. │ └────v─────────┘ |ミ, / `ヽ /! ,.──、 |彡/二Oニニ|ノ /三三三!, |! `,' \、、_,|/-ャ ト `=j r=レ /ミ !彡 ● T 爪| / / ̄|/´__,ャ |`三三‐/ |`=、|,='| _(_ /人 ヽ ミ='/|`:::::::/イ__ ト`ー く__,-, 、 _!_ / ( ゚ω゚ ) / `ー─'" |_,.イ、 | |/、 Y /| | | j / ミ`┴'彡\ ' ` 河野六郎 服部四郎 橋本萬太郎 >>437 うああ、今気付いた…… 村山七郎先生ごめんなさい >>436 「日本語多元起源説」とも言うべき発想は凄く面白いね 確かにそれはかなり面白いけど、でもAN語起源説を取る限りはそれでは駄目なんだ 何故なら、AN語的に考えるならo2とeは絶対に共存し得ないはずだから 共存し得ないというより、eが何かの拍子で誕生するとAN語ではo2の音が変化してそれまでの母音体系が崩壊してしまうんだよ 俺は前スレで日本語の母音の成立順を「祖語a,i,u,o2→o1(アルタイ語の流入以前か同時期)→i2(アルタイ語の流入以降)→e1(3世紀以降、恐らく5世紀から6世紀)」だと推定したけど、 これも魏志倭人伝に上代7母音のうちeだけが無かったと思われることに加えて、フィリピン諸語やインドネシア諸語を参考にeの誕生が上代特殊仮名遣い崩壊のトリガーになったと考えてるから つまり、AN起源説を取る限りは大野4母音の「前に」eを含む6母音があったとするペラール説は絶対に相容れない eの存在さえ否定できれば、古いo1があることはむしろ俺の考えを補強する材料になり得るんだけど 仮にその俺が今勝手に名付けた「日本語多元起源説」が正しいとするなら、琉球祖語にはやはりeは無かったとしなければ成り立たない >>436 あと、さすがに日本語にアルタイ語が流入してないとするのは無茶だろう 朝鮮語の起源スレで朝から長文を書いてきたけど、俺は朝鮮語の基層は古アジア諸語的な言語だと思ってる さすがに金芳漢みたいにニブフ語とまで言い切ってしまっていいかは分からないけど、「ニブフ語的な」言語が基層だったのは確かだろうから、朝鮮語が遡れば5母音的になっていくのは自然に思える 古アジア諸語の一派だった朝鮮祖語が日本語より遥かに濃くアルタイ語族の影響を受けたのが百済語であり新羅語だろう アルタイ語と日本語の共通語彙といえば、「犬」「湯」「泳ぐ」「四」「夜」などの語彙と「を」「ゆ」「ゆり」を始めとした大量の助詞がある 一見「日本語のアルタイ語要素は朝鮮語から借用したもの」と言ってしまってもいいけど、それだと朝鮮語に日本語に似た助詞が大量に存在してなければならないが、そんなものがあったら日本語朝鮮語同系説がもっと有力なはず やはり日本語のアルタイ語要素はツングース語から直接借用したと見るべき なんで藤井説って朝鮮半島の言語史の記述だけまともなんだろう 上代の日本語がやや孤立語的な性格を帯びる原因を、異質な言語との接触に求める意見が多いが、 接触した相手は同じ日本語族でもかまわないのではないかと思う。 古英語が古ノルド語に接触して屈折が壊れたときのような状況を想定してみる。 まず、弥生時代の始まりとともに九州で日琉祖語が誕生し、関東にまで広がった。 弥生時代を通じて、基礎語彙や膠着語としての基本的な枠組は保たれたが、 助詞や活用語尾の具体的な形については著しく方言差が広まった。 古墳時代に入って、政治的な統一とともに方言差は縮小を始めた。 しかし大和盆地の方言はなかなか中央語としての権威を確立できず、周囲の方言に振り回され続けた。 その結果、助詞や活用・派生は衰退し、あるいは様々なの方言のものが混在するようになった。 中央語の権威が確立すると、日本語は膠着語らしさを取り戻し始めた。 格の概念は一新されて、それに合わせて新しい格助詞が産声を上げた。 古い文法の一部は、係り結びやミ語法として文献時代まで生き延びたが、結局は廃れた。 生まれ変わった日本語は全国に強い影響を与え、文献に残る上代東国方言も既に大きく変質していた。 根拠は特にない。チラ裏すまん。 >>438 > eの誕生が上代特殊仮名遣い崩壊のトリガーになったと考えてるから それは上代特殊仮名遣いの崩壊のトリガー?? AN語的4母音体系崩壊、すなわち上代特殊仮名遣い誕生のトリガーなのでは? フィリピノ語 : a ə i u →[eの誕生]→ a e i o u マレー語 : a ə i u →[eの誕生]→ a ə e i o u インドネシア語 : a ə i u →[eの誕生]→ a ə e i o u アミ語(台湾諸語) : a ə i u →[eの誕生]→ a e i o u ツォウ語(台湾諸語) : a ə i u →[eの誕生]→ a ə e i o u ウィキ参照にするとこんなかんじに見える。AN語よく知らんけど >>440 日本語の助詞や助動詞って、似たような意味のものがいっぱいあるけど ここらへんは各地方でバラバラに作られたとすれば納得行くよね 方向格の助詞 : へ・に・さ 属格の助詞 : が・の・つ 意志・未来の助動詞 : む・べし 否定の助動詞 : ず・なふ 今でも住み分けや統一されていないものがあるから、2000年たっても統合は道半ばだな こう見ると地方生まれで消えるかとおもいきや正書法にまで躍り出た「なふ」はすごい。 ただ助詞は内的な理由で構築されたのではなくアルタイ諸語など外部からもたらされたものというスタンスの >>439 あたりとは相性悪そう AN祖語のアクセントってロゼッタストーンを参考にするとLHかHLかしかないんだっけ これとAN祖語に特徴的な豊富な子音って、うまく説明すると日琉祖語の豊富なアクセントの説明になるんじゃないか? AN祖語はウィキペ見ると子音19×アクセント2種(Wolff説) http://en.wikipedia.org/wiki/Proto-Austronesian_language 日琉祖語は子音13×アクセント5種 ・・・日本語のほうが組み合わせ多いか。 だがAN祖語の口蓋化音や喉音がAN日祖語のアクセントの代償として発生したことが証明できれば >>110 の疑問にも答えられそうだぞ 上代特殊仮名遣い 8世紀にはすでに崩壊途中 崩壊過程に地域差あり 発生の時点ですでに一部の子音では崩壊していた? 特にシチニリ・セテネレは歴史上甲乙が発生した時期がない可能性 発生の契機は母音融合の結果 母音融合はなぜ発生した?現代日本語の母音融合は音便形の発達が原因 音便形は外部の影響を受けず、ひたすら内的に発生したもの 上代特殊仮名遣いの原因の母音融合も内的な原因? 活用形との関係 四段動詞已然形はエ乙、命令形はエ甲だった 終止形は連用形+u。a o2 o1 u + i は新しい母音を発生させたにもかかわらず、 i1 i2 + uは母音を発生させず、uに吸収された。なぜ? 本当はu2があったのでは?それともアクセントの差におちついた? 謎はまだ解決していない... これからどこに行けばいいんだろう・・・ したらば? >>441 時系列の問題 俺は上でも書いてるけどe1が最後に出来た母音だと思ってるから、e1以前に既にi2やo1は存在したし上代特殊仮名遣いの発生にはe1は無関係 というか乱暴に言えばo2とe1の対立が母音体系の崩壊を引き起こすのであって、それが日本語の場合には上代特殊仮名遣いの崩壊に繋がったという考え方 >>442 アルタイ語と接触する前の日本語は「の」以外の助詞が無い「孤立語的な」言語だったと思ってる それが恐らくツングース語との接触によって現在のような膠着語に統語構造が変化したのであって、必ずしも助詞の語源を全てツングース語に求める必要は無いと思うよ もちろん直接ツングース語から借用したと思われる助詞も多いけど、中には助詞という「概念の借用」によって日本語で独自に生まれた助詞もあってもおかしくない 話題が無いなら魏志倭人伝の人名の解釈とかはどうよ? 上代の日本人は動植物の名前とか概念とかの名詞をそのまま人名にしてた(「嬉し」「犬」「鎧」など)けど、 魏志倭人伝に出てくる難升米とか都市牛利とかってちょっと日本語で解釈出来ないよね? かといって魏志倭人伝の言語が日本語と繋がらないかといえばそうではなく、森博達の推定によれば魏志倭人伝の日本語表記の特徴は明らかに上代日本語と一致している 卑狗や卑奴母離、泄謨觚、兕馬觚などの官名はどう見ても上代日本語だし、人名でも臺與なんかは「臺與=豊」で古代日本の女性の名前としては至って自然 卑彌呼(ピミヲ)は「姫+を(を=人という意味)」で「高貴な身分にある女性(な人)」という解釈が出来、 日本神話に出てくる「スサノヲ=荒っぽい人」「タヂカラヲ=力の強い人」と同じような称号(人名ではない)だと上代日本語で自然に解釈出来る そもそも邪馬臺からしてyamato2で大和地方のことだし それだけに、上代日本語で意味が分からないような単語がたまに混ざってるのがすっきりしない 3、4世紀近く間が開いているから元になった語が単純に廃語になっててもおかしくはないが、 無くなってないものとして考えると中々難しい。 >>446 441ではマレー語、インドネシア語、ツォウ語でeやoが現れてもəが消えてないように見えるけど、 それはどうなの? マレー語のəは由来が別とか? >>435 >>436 むしろこうではないだろうか。 言語X1:千島列島〜北海道石狩以東 、アイヌ語となり東北へ拡大 言語X2:東北〜静岡に至る太平洋側、後にX1に押され後退 言語X2':北海道西南部〜東北日本海側〜信越、後にX1に押され後退するが 後にこのアクセント体系が北奥羽や西関東、東海へ拡大 言語X3:北陸、近畿、四国 言語X3':中国〜九州北部 言語X4:九州南部〜琉球諸島 ・言語X2では元々アクセントを持っていないため消滅 後にX2'からの強い影響で南奥・東関東・大井川上流・八丈島以外において逆乙種化し、 埼玉東部と奈良田以外で反転して乙種中外輪化した ・言語X2'では上げ核のみ弁別。後に下げ核に反転し乙種中外輪となった ・言語X3では最終的に式と下げ核の弁別になったが、 乙種との境界付近などで内輪乙種化しさらに内輪と接する地域などで式が消滅し垂井式に変化 ・言語X3'では上げ核のみ弁別で後に下げ核に反転し乙種中外輪を形成 もしくは通説通り平安〜室町京都アクセントの体系を経て乙種中外輪が形成された ・言語X4では式のみ弁別。後に西南九州で二型式になった そういう仮説をお考えになること自体には敬意を表したいけれど、 実証的な裏付がないと、妄想、で片附けられてしまわないかな? 言葉やってる人って、すご〜〜く慎重ですよね。 >>449 は>>435 >>436 説の発想をもとにでっちあげたもので根拠がほとんどなく、この説が妥当であるとは全く思っていない。 そもそもアクセントについて基層言語の影響を考慮する必要はほとんどないのかもしれないが 、 基層言語のアクセント体系について436説以外の可能性も考えられるのではないだろうか。 話題ないんだしもっとイージーでいいじゃん >>449 X2'で上り核アクセントから下り核に反転したのはなぜ? わざわざ反転のプロセス挟む意味がちょっとわからなかった 元々下り核だとしても、通説に従うと一拍後ズレがなぜ広範囲かつ各地で起こったことが疑問として残り、 ラムゼー説みたいに乙種が古形だとすると他の体系が導きにくくなるので、 上げ核アクセントと考えてみたわけだが、確かになぜ反転したのだろうかという問題がある。 そうすると、祖体系から、乙種の下げ核の位置に核がある強さアクセントの体系を経て 乙種が成立したと考えるべきなのかもしれない。 上から見てきたけどX氏の単芝と煽り口調がうぜえという感想しかでなかった Xの人は多分躁鬱病患者なんじゃない?躁状態の人が書く文章にすごく良く似ている。 言ってることは面白いから良いんだけど、読んでてイライラしてくるのは同意。 自分が絶対に他者より優れているという自負が強い人のようだね 無意識だとは思うけど そんでもっておまけに躁だと 乙種のうち、中輪だけなら>>453 でよいが、内輪や外輪は他の要素も考慮する必要がある。 通説とは異なり、>>392-393 説に近い仮説だが、 本土アクセントの祖体系は低く強い核と初拍の高、下降という三つの要素によって定義される体系なのかもしれない。 この仮説を前提としたうえでもし>>435-436 の基層言語の影響を想定するなら 甲種と乙種のどちらでも大きく変化しつつも核の音調あるいは位置を保持し、乙種では下降がほぼ消失したことから、 言語X3は少なくとも「下りアクセント核のみ弁別」ではないことになる。 最近管理人コメ見るのが楽しみになって来た 刃の影響でAAの会話形式にしたみたいだけどクソつまんねぇw 光造形は知らんなー 段々の問題以前に熱処理やらなんやらで弄りまくって適正化してる組織まで金属3Dプリンターで再現できるとは到底思えないんだよなぁ 法の定める範囲内において、かつ臣民の義務に背かない限り ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.4 2024/05/19 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる