バル、ハラについて。

宮崎県に有名な新田原(にゅうたばる)基地があるが、この基地のあるところが新富町大字新田。
昔は新田村(にゅうたそん)。
なんで(むら)ではなく音読みの(そん)なのか。
それは、(にゅう)の発音のためだろう。
(にゅう)のウから(た)のアに上ったあと(むら)のウ、アと上り下がりが急で発音しにくい。
そのために(むら)ではなく(そん)の発音を入れて、(た)のアのあとにオ、ンと発音の上がり下がりをなくして発音しやすくした。
それと同じで、(にゅうたばる)が(にゅうたばら)だったら、ウからアが三連続して最後のアの発音を維持するのに力がいる。
そこで、最後のアをウに変えることで力を抜き、(にゅう)のウと音をそろえることで落ち着きをよくした。

福岡県行橋市に、新田原(しんでんばる)がある。
この読み方も同じで、シンデンバラだと最後のアに力が必要で、その労力軽減のためにラをウに変えてバルとし、前のンに音を近づけて落ち着きをよくしたものだろう。

この新田は関西では(にった)であり、(にゅうた)よりも1音少ないので、そのような調整が必要なく、新田村(にったむら)で発音の労力に不都合がない。
沖縄のヤンバルクイナも同じで、ヤンのン音からバラとアア音が続くことは力が必要になるため、バルと口を閉じるウ音に変化させ、後続のクイナのウ音に連絡しやすくしているようにみえる。

このようにみると、発音上、上下の変化を小さくして、できるだけ労力を軽減しているのがバルということになる。