さあ、タガログ語と日本語の語彙の類似性をみてきたが、調べた語彙は概ね出尽くした。
タガログ語の語彙には、日本語の語彙とよく似たものが多いことが分かる。
日本語の語彙には、タガログ語の祖語である中国南部の言葉に由来するものが潜んでいることが、想定できる。
タガログ語と日本語の語彙の類似について、最後にこの語彙の比較を行ってみよう。

日本語 takai(タカイ)=高い
タガログ語 mataas(マタアス)=高い

日本語の(高い)は、タケと発音する岳、丈、竹などと同類。
その語幹音はta(タ)だと考えることができる。
一方、高いを意味するタガログ語のmataas(マタアス)は、maが語頭接辞、asは語尾接辞なので、語幹音のta(タ)が高いを意味していることが分かる。
このようにみると、日本語のtakai(タカイ・高い)と、タガログ語の(高い)を意味するmataas(マタアス)は、まったくの同系語だと考えることができる。
そして、その語幹音のta(タ)が、ともに(高い)の意味を持っているということができるのだ。

縄文時代草創期の1万2000年前に南からやってきて南九州に上陸した者たちの起源地が、タガログ語話者の祖地と同一である可能性が極めて高く、その起源地はおそらく中国南部の福建省あたりだったと推定することが可能だ。
そして、彼らは先住の縄文人と混交して、西日本一帯に広がりつつ日本語の基礎を形作ったということになってくるのだ。
それが、おそらく、真実だろう。
わははははは。