>>15 朝鮮語では「お釣り」をgeoseureum'donコスルムトンと言う
これはgeoseureu-daコスルダという動詞の語幹プラス名詞化の接尾辞-m、
その修飾を受けるdon「お金」によって成り立つ。略してgeoseureumとも言う
geoseureu-daの意味は「お釣りを授受する」、他の語義は「逆らう」「背く」「反対に行く」であり、
最初に渡されたお金の逆の方向にお釣りが移動することから来たものだろう
面白いのはこの動詞は単独ではお釣りを「受け取る」のか「与える」のか確定しないことで、
接続助詞を付けた連用形geoseulleoコスッロにしてから
後ろに補助動詞のjudaチュダ(与える)かbaddaパッタ(受け取る)を後に加えることで
はじめてそれぞれ「お釣りをあげる/くれる/渡す」「お釣りをもらう/受け取る」の意味になる
中国では(以下は大陸の場合)チップの概念も特殊なサービス業以外は普通の小売業にはないし、
「お釣り」という概念もそれに当たる找銭zhao3qian2という単語もある
インドネシア語では「お釣り」はuang kembaliウアン・クンバリという
uangは「お金」、kembaliは「戻る」で、後ろから前を修飾した構造で、逐語訳すれば「戻るお金」
略して単にkembaliとも言う
というわけで、「お釣り」は「日本だけの文化」ではなく、外国にもある。
チップは別の概念であり、それぞれの国であったりなかったりだ。