東海道五十三次の起点で、「京の玄関口」でもある三条大橋(京都市中京区−東山区)の老朽化が進み、市民から苦情が寄せられる事態となっている。

橋を管理する京都市も、朽ちた木製欄干の修復は喫緊の課題と認識する一方、「多額の費用をどう捻出するか検討している段階」と、対策に苦慮している。

市によると、現在の三条大橋は、1950年に架け替えられた後、ヒノキ造りの欄干は73年に取り換えられたという。

幕末の「池田屋事件」の際に付いたとされる刀傷が擬宝珠(ぎぼし)に残っているなど歴史的価値も高い。

ところが、欄干の取り換えから40年以上たった近年、木のささくれやシロアリの通った跡が目立つように。

部分的な腐食もあり応急措置を施した部分が継ぎはぎ状態となっている。

橋の西側に広がる「三条小橋商店街振興組合」の小森一宏理事長は「橋を『京のお入り口』として商店街でもアピールしているだけに、もう少しきれいにしてもらえたら」と話す。

また、山科区に住む男性(71)は通勤途中に橋を毎日通るうち、あまりの汚さを見かねて「専門業者に洗浄を頼みたい」と、私財の拠出を市に申し出た。

ソース元、京都新聞、2017年05月11日 22時00分
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170511000158